(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)が、人工知能(AI)業界からユーロ圏の銀行が受けるリスクについて調査を進めている。隠れた信用エクスポージャーや、金融の混乱に対する警戒の高まりが背景にある。
事情に詳しい関係者によると、ECBはデータセンターなどへの融資について、少数の個別銀行に詳細な情報の提供を求めている。
並行して、ECBは銀行が生成AIの活用法を把握するため、対象を絞ったワークショップも実施している。関係者は匿名を条件に話した。欧州中央銀行の広報担当者はコメントを控えた。
ECBがAIリスクへの監視を強めているのは、投資助言業務から従来の資金調達ニーズの管理に至るまで、AI技術が銀行業界を一変させる可能性を各国の規制当局が認識しているためだ。世界の銀行やプライベートクレジット企業は、開発企業やデータセンター、エネルギー供給にまで広がるAI構築に数兆ドルを投じている。
ECBのワークショップでは、ビジネスモデルやガバナンス、リスク管理などの側面に焦点を当てている。関係者の一人によると、少なくとも1行は、ECBの動きについて、データセンターを含む分野への融資について慎重姿勢を取る必要性を示すシグナルと受け止めた。
優先事項
ECBは昨年、銀行がAIアプリケーションをどのように利用しているかを2026-2028年の銀行監督の優先事項とし、ワークショップを実施する方針を表明していた。
別の関係者によると、ECBやその他の当局は、テック企業への銀行の依存度についての聞き取りを拡大している。クラウドサービス提供者やデータセンターが短期間のうちに利用不能となった場合にどう対応するかといった質問もしているという。
オランダの金融監督当局トップは昨年、ブルームバーグとのインタビューで、AIの導入が、外国の巨大テクノロジー企業への依存に起因するシステミックな脅威に欧州の銀行をさらにさらすことになると警告した。
ある銀行幹部はブルームバーグに対し、AI企業へのエクスポージャーの把握に取り組んでいると明かした。AI企業やデータセンターへの融資だけでなく、こうした企業への電力供給業者との関係など、他のつながりも考慮する必要があるため、複雑な作業になっているという。
原題:ECB Steps Up Scrutiny of European Banks’ AI Industry Exposure(抜粋)
--取材協力:Nicholas Comfort、Steven Arons.
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