米連邦最高裁判所はトランプ大統領が世界の主要貿易相手国・地域に発動した大規模な関税について無効との判断を下したが、企業への関税還付の扱いについては結論を示さなかった。

これにより、輸入業者や小売業者がすでに米政府に支払った最大1700億ドル(約26兆3000億円)の関税をどこまで取り戻せるのかという問題は未解決のまま残っており、長期の係争に発展する可能性が出てきた。

具体的には、トランプ政権が過去1年間に1977年国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき輸入業者から徴収した関税を巡り、還付の見通しと手続きに関する決着が先送りされた。最高裁は今回、6対3でIEEPAに基づく関税発動は大統領権限の逸脱に当たると判断した。

反対意見を執筆したカバノー判事は「本日の判決は、政府が輸入業者から徴収した数十億ドルを返還すべきかどうか、また返還する場合にどのように進めるべきかについては何も述べていない」と記述。その上で、税還付手続きについては「口頭弁論でも認められた通り『混乱』を招く公算が大きい」と指摘した。

米税関・国境警備局(CBP)によると、今回の争点となったIEEPAに基づきトランプ氏が課した関税として、12月14日時点で推計約1700億ドルが徴収されている。

最高裁はIEEPAを用いた関税発動は合法ではないと判断したが、輸入業者が還付を受ける権利を有するかどうかについては判断を示さず、これらの問題は下級審に委ねられた。同案件は今後、米国際貿易裁判所に差し戻され、次の審理段階に入る。

 

ブルームバーグの分析によると、関税が確実に還付されるよう、1500社超が最高裁の判断に先んじて国際貿易裁判所に訴訟を提起している。

同裁判所はこれまで、最高裁で敗訴した場合に還付問題にどう対処するのか、少なくとも方針の一端を示すよう司法省に求めてきた。

政府側の弁護士は提出書類で、関税の再計算を当局に命じる裁判所の権限そのものについて争うことはしないとする一方、還付の対象となる輸入業者を限定しようとする可能性については排除していない。

原題:Tariff Ruling Kicks Off Messy Fight Over $170 Billion in Refunds(抜粋)

--取材協力:Adrienne Tong、Jeff Harrington、Isabel Gottlieb.

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