(ブルームバーグ):2025年10-12月期(第4四半期)の米実質国内総生産(GDP、速報値)は前期比年率1.4%増と、伸びは市場予想を下回った。同時には発表された昨年12月の個人消費支出(PCE)統計では、連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として重視するPCEコア価格指数が前月比0.4%上昇と、約1年ぶりの高い伸びとなった。
これについての市場関係者の見方は以下の通り。
◎アネックス・ウェルス・マネジメントのブライアン・ジェイコブセン氏:
がっかりな数字だった。リアルタイムの指標を受けて期待値が高まっていたため、3%に近い数字を予想していた。従って1.4%は大きな失望だ。
◎Bライリー・ウェルスのアート・ホーガン氏:
この日発表された経済指標は、予想を上回るインフレと想定を下回る成長という、複雑な内容だ。こうした分かりにくい結果は、金融政策の運営を急がないという現在の米連邦準備制度理事会(FRB)の姿勢を裏付けるものだ
◎ノースライト・アセット・マネジメントのクリス・ザカレリ氏:
第4四半期のGDPは一見すると非常に弱い数字となった。伸び率は市場予想の2.8%に対し、1.4%にとどまった。ただ、同四半期のほぼ半分にわたり政府機関が閉鎖されており、それがなければ2.4%程度だったとの推計もある。とはいえ、それがどこまで正確かも分からない。
一方で明るい材料もある。個人消費はなお底堅く、これまでの労働市場関連の統計や消費者物価指数(CPI)と同様、インフレ圧力が和らぎつつあるなかで経済が成長を続けているとの見方と整合的な内容となっている。
もっとも、FRB内のタカ派とハト派の綱引きは長引きそうだ。米個人消費支出(PCE)コア価格指数は目標の2%を依然として大きく上回っている。当社では、FRBが今年、3回以上の利下げで労働市場を支え続けるとみている。インフレ率は緩やかながら低下していく見通しで、当局は忍耐強く対応するだろう。
◎eToro(イートロ)のブレット・ケンウェル氏:
朝方発表された経済指標は、市場が望んでいた組み合わせとは言い難い内容だった。予想を下回る成長に、予想を上回るインフレが重なったためだ。
S&P500種株価指数は年初来でほぼ横ばいとなっているが、2026年は上昇銘柄と下落銘柄が交錯し、大規模なローテーションが目立つ年となっている。こうしたまちまちの動きは経済指標にも表れている。今回の統計が現在の市場環境を一変させる可能性は低く、積極的な売買よりも忍耐強く構える姿勢が賢明であることを示唆している。
◎プレミア・ミトン・インベスターズのニール・ビレル氏:
昨年最終四半期の米経済は予想を大きく下回るペースで成長した。個人消費が予想より弱いのは、K字型経済の下側への圧力強化が影響したのだろう。政府閉鎖の影響が及んだことも明らかだ。しかし本当の問題は、関税による影響が現時点で顕在化しているものより強まっているのかどうかだ。連邦準備制度理事会(FRB)は想定外の対応を迫られる可能性があるかもしれない。
◎カーソン・グループのソヌ・バーギーズ氏:
第4四半期の経済成長率は減速したが、その大部分は政府閉鎖によるものだ。2026年1-3月(第1四半期)には持ち直すと見込む。2025年通年の成長率は全体的に、2023-24年の高成長の後でトレンド水準へと鈍化した。
2025年はインフレも加速し、年末には連邦準備制度理事会(FRB)が重視するインフレ指標の伸びが高まった。FRBはより長期にわたって様子見姿勢を続けるとみられる。
◎トレードステーションのデービッド・ラッセル氏:
物価動向は昨年末にかけて期待に反する動きとなった。個人消費支出価格指数(PCE)の上振れに加え、低水準の新規失業保険申請件数と堅調な鉱工業生産が重なり、利下げの必要性は後退している。
金融緩和寄りの姿勢はひとまずピークを打った可能性がある。低調なGDP統計は、スタグフレーション的な環境に陥るリスクを改めて意識させる。米連邦準備制度理事会(FRB)次期議長は難しいかじ取りを迫られそうだ。
原題:Stocks Fall After Weaker-Than-Estimated GDP Data: Markets Wrap(抜粋)
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