(ブルームバーグ):米連邦最高裁は20日、トランプ米大統領が議会の承認を得ずに発動した輸入関税は大統領権限の逸脱に当たるとの判断を示した。しかし、こうした関税を復活させるために議会の協力を取り付けるのは容易ではない。
米国憲法第1条は課税や関税を課す権限、「外国との通商を規制する」権限を議会に与えている。ただ、議会は数十年にわたり、さまざまな立法を通じて通商権限の一部を大統領に委ねてきた。その大半は、大統領が関税を発動できる理由を限定している。
最高裁の判断を受け、トランプ氏はホワイトハウスで記者団の取材に応じ、関税に関する権限はすでに承認されているとして、関税の復活を議会に諮る「必要はない」と述べた。さらに、追加の関税権限を議会に要請した場合でも、おそらく承認を得られるとの見方を示した。
だが、共和党は議会で僅差の多数を握るにとどまり、民主党の協力なしに通商関連法案を可決できる可能性は低い。与党内にも輸入関税に反対する議員がいる。
下院は今月初め、カナダに対するトランプ関税の終了を目指す法案を可決した。上院も象徴的な本会議採決で、トランプ氏の複数の関税措置を否決している。
共和党議員の中には、大統領が関税を巡って敗訴したことを公然と歓迎する向きもあった。ネブラスカ州選出のドン・ベーコン下院議員はX(旧ツイッター)への投稿で「広範な関税は悪い経済政策だ」と述べた。
民主党が大統領の通商政策の推進に協力する可能性は低い。多くの議員が最高裁判断を歓迎し、トランプ関税が物価上昇の一因になっていると批判した。今秋の中間選挙に向け、民主党は生活費の高騰を主要争点に掲げ、トランプ氏の経済政策がその大きな要因だと訴えている。
原題:Trump’s Revised Tariff Path Avoids Strong Resistance in Congress(抜粋)
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