記録的な物価高に伴い、世界各国で賃上げを求めるストライキが相次ぐ中、イギリスでは21日、救急隊員がストを行いました。政府は軍を動員するなど対応に追われています。
記者
「ずらっと並んだ救急車。こちらは救急隊員の拠点となっている場所で、ストライキのために救急隊員らが集まっています」
この日、イギリス各地でストライキに踏み切った救急隊員。イギリスではインフレ率が10%を超えていて、地元メディアによりますと賃上げなどを求め、数千人がストに参加しています。
ロンドンのこちらの拠点には23台の救急車がありますが、スト開始後に稼働していたのは3台のみでした。
こうした事態を受けて、今回、イギリス政府が動員したのが軍です。運転手などの救急業務の一部を代行するため750人を待機させ、事前に訓練も行いました。
さらに、国民には“救急隊員の世話”にならないよう、夜間の運転や体がぶつかり合うスポーツ、酒の飲みすぎを避けるよう呼びかけています。
街の人は…。
市民
「100%(救急隊員を)支持します。一年中、特にコロナの流行中よく働いてくれました」
「看護師もストをしたし、恐ろしい状況です。政府は彼らに背を向けているように思えます。税金が使われているのだから、政府の責任です」
ただ、政府は賃上げ要求に歩み寄る姿勢は見せていません。組合側は…。
労働組合「UNISON」 南東地区担当書記長
「政府には賃金交渉のテーブルに着いてもらいたい。賃金だけではありません。労働環境も患者のケアも重要です。NHS(公的医療制度)と救急医療は崩壊寸前です。病床が不足し、救急隊員は患者を運べず、病院で4、5時間の待機を強いられています」
イギリスでは、すでに看護師らが今月2度のストライキを行ったほか、鉄道や空港職員のストも計画されていて、“ストの連鎖”はおさまる気配はありません。

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