中国の董軍国防相がアメリカのヘグセス国防長官とオンラインで会談し、意思疎通を続ける必要があるとする考えを伝えました。2人が会談するのは今回が初めてです。

中国国営の新華社通信は9日、中国の董軍国防相とアメリカのヘグセス国防長官がオンラインで会談したと報じました。今年1月に第2次トランプ政権が発足して以降、2人が会談するのは初めてです。

会談で董軍国防相は「開放的な姿勢を維持し安定的な関係をつくるべきだ」と、軍同士の対話や交流を続ける必要があると指摘しました。そのうえで、「武力による独立支援や、台湾を利用し中国を封じ込める企ては失敗に終わるだろう」と主張。

南シナ海については「一部の国による権利の侵害や挑発に断固反対する」と、台湾問題や南シナ海の領有権をめぐる問題にアメリカが介入しないよう、くぎを刺しました。

董軍国防相とヘグセス国防長官をめぐっては、5月下旬からシンガポールで開かれたアジア安全保障会議で接触があるか注目されていましたが、中国側が欠席したことで実現していませんでした。

また、アメリカ国防総省は10日、ヘグセス国防長官が会談の中で「アメリカは中国との紛争を望んでおらず、体制転換や締め付けも追求していない」と伝えたと発表しました。ヘグセス長官は「アメリカは優先地域であるアジア太平洋に重要な利益を有しており、断固として守り抜く」との考えも強調したということです。

国防総省は2人が率直で建設的な意見交換を行い、今後も協議を続けていくことで一致したとしています。