トランプ米大統領の政策で市場が混乱し、ドルが弱体化する中、ユーロ圏の財務相らは、ユーロの国際的な役割拡大を推進しようとしている。

欧州連合(EU)のユーロ圏財務相理事会の議長を務めるギリシャのピエラカキス財務相は、「現在の地政学的文脈を踏まえたうえで最近の出来事を見ると、国際金融・通貨システムが政治的手段として利用されるリスクがある」と指摘し、「従って、EUの通貨主権にとって非常に重要なユーロの国際的役割を守ることは、私たちにとって存在意義に関わる問題だ」と語った。

欧州中央銀行(ECB)は14日、ユーロを推進するため、これまでで最も強力な措置として、世界中の中央銀行にユーロの流動性を提供する用意があると表明した。この提案は、16日にブリュッセルで開かれているユーロ圏財務相理事会に先立ち、EUの執行機関・欧州委員会が作成した文書に含まれているアイデアのひとつだ。

ブルームバーグが入手したこの文書は、各国に対し、ユーロへのアクセスをパートナー国に保証することによる、ユーロ外交の強化を促している。

文書では、「米国がストレス時にドル流動性を供給する意欲を低下させる可能性がある中、ユーロ建て流動性をパートナー国に提供することは、EUの貿易戦略を補完する貴重な手段となり、ユーロの国際的役割を強化し得る」としている。

また文書からは、特にエネルギー、重要な原材料、航空輸送、防衛などの主要セクターにおいて、発行や取引におけるユーロの使用を促進する方法を模索していることがわかる。

ドイツのクリングバイル財務相は「国際投資家は分散投資を望んでおり、欧州との接触を求めている。だからこそ、私たちは世界全体の資本投資にとって安全な避難所になりたい」と語った。

フランスのレスキュール経済・財務相も「世界中で大きな課題に直面している今、EUはより強く、より迅速に、競争力と強力かつ独立した能力の向上に取り組まなければならない」と強調した。

ただ、匿名を条件に語った関係者によると、フランス当局者は、こうした動きがユーロの対ドル相場を押し上げ、輸出業者にどのような悪影響をもたらすかについての理解も求めている。

原題:Euro-Area Finance Chiefs Push for Bigger Role of Single Currency(抜粋)

--取材協力:James Regan、Lyubov Pronina、Sofia Horta e Costa.

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