語られた希望と、語られなかったリスク

高市総理が選挙期間におこなった街頭演説をAIを使って分析すると「日本」「投資」「成長」「未来」などといった言葉が多く使われていたことが分かる。また「人を動かすのは希望だ」と訴えるなど、明るく前向きなメッセージを発信し続けた。
これに対し惨敗を喫した中道改革連合・野田共同代表(当時)らの演説は、“解散時期”や“円安による物価高”など、高市政権の批判に触れることが多く、具体的で前向きなビジョンを打ち出すことに欠けていたと評する声がある。
ただ、高市総理はポジティブな言葉を並べる一方、そこに潜むリスクを話すことは少なく、丁寧さや正確性に欠く発言も見られた。
高市総理が「(円安で)外為特会の運用はホクホク状態」と発言した際には、合わせて「円高がいいか、円安がいいのかわからない」とは述べたものの、民主党政権下の円高の問題点は指摘する一方、円安の欠点や高市政権の積極財政が物価高を引き起こすリスクについては触れなかった。
また、南鳥島周辺の海底からレアアース泥の採取に成功した後の演説では、「日本はこれから、今の世代も次の世代もレアアースには困らない」などと発言したが、実際には、安定した採取が可能なのか、採算性はあるのかなど課題は多い。現時点で「困らない」と言うには根拠が乏しく、誤解を招きかねないと指摘する声も上がる。
小野田経済安保担当大臣もレアアースの産業化に向けては“採取にかかる費用の大幅なコストダウンが重要”との認識を示している。