戦後最短、解散から投開票まで16日という“超短期決戦”となった衆議院選挙は、高市総理が率いる自民党が結党以来最多、316議席を獲得する圧倒的勝利で幕を閉じた。

自身の進退を賭け、高市総理を信任するかどうかを争点に設定する「高市劇場」ともなった選挙戦は、「高市総理の、高市総理による、高市総理のための選挙だった」との声も上がる。

選挙戦を振り返ると、「高い内閣支持率」や「巧みな選挙戦略」など、勝利には必然性も見られたが、選挙制度から生まれる違和感や制度の課題も浮き彫りとなる結果となった。

批判も追い風に変える高市総理

真冬の2月に衆議院選挙が行われたのは36年ぶり。雪国への負担や大学受験シーズンと重なるといった時期の問題に加え、「物価高対策が最優先」と訴えてきた高市総理が、2026年度予算案の年度内成立よりも衆議院の解散を優先したことには、野党などから「自己都合解散」などと批判の声が相次いだ。

だが、高市総理への批判の声は、猛烈な“高市旋風”を前に、打ち消される結果となった。

実はこうした風潮は、選挙の前から見られていた。高市総理就任後に問題視された台湾有事をめぐる発言でも、日中関係の悪化を懸念する声が野党やメディアの間で沸き起こったが、高市総理の発言後、去年12月におこなったJNNの世論調査では「発言は問題とは思わない」が55%と過半数を占めるなど、高市総理の言動は国民に好意的に受け止められる傾向が続き、内閣支持率は7割前後の高い水準を維持し続けてきた。

自民党関係者はこう指摘する。「初の女性総理ということもあって期待感が大きい。保守色が強いのも強固な支持を得やすい。アメリカ軍の空母の上ではしゃいだり、首脳会談の際に韓国国旗にお辞儀したりするなど、石破総理や岸田総理が同じ事をしていたら猛烈な批判を受けるようなことでも、高市総理がやると、それが好意的に受け止められる」