(ブルームバーグ):イランと米国は6日、緊張を緩和し軍事衝突を回避するため、第三者を介した協議を行った。イラン当局者は、初日の協議はポジティブなものだったとし、間接的な話し合いの継続で米国と合意したことを明らかにした。
イランのアラグチ外相はオマーンの首都マスカットでの協議後、交渉の「良いスタート」となったと国営テレビに語った。この調子でプロセスが継続すれば、「将来の協議に向けた合意枠組みに到達できる」との見通しを示した。
発言を受け、原油価格は下落した。指標のブレント原油は一時1バレル=67ドルを割り込んだが、その後は下げ渋った。原油価格は年初来でおよそ12%上昇していたが、その主因は中東で新たな戦争が勃発するとの懸念にあった。
今回の協議について、イラン当局者は核問題に限定されると主張していた。一方、米当局者はイランのミサイルや中東地域の親イラン民兵組織についても話し合われるべきだとの立場だ。
アラグチ外相は国営イラン放送(IRIB)とのインタビューで、「われわれの協議の主題は厳密に核問題であり、米国側と他の問題については協議していない」と語った。
次回会合は来週
トランプ米大統領は6日夜、フロリダ州パームビーチに向かう大統領専用機内で記者団に対し、協議は「非常に良好」であり、来週早々に次回の会合が開かれる予定だと述べた。
トランプ氏は「イランは取引を非常に強く望んでいるようだ。その取引がどのようなものになるか見極める必要があるが、イランは取引を非常に強く欲しているように見える。そうあるべきだ」と語った。
協議を仲介したオマーン外務省は「外交的・技術的交渉を再開する適切な環境づくりが協議では焦点となった」と発表文で説明した。
オマーンのバドル外相は、アラグチ氏率いるイラン代表団、ウィトコフ特使やトランプ大統領娘婿のジャレッド・クシュナー氏らから成る米国代表団とそれぞれ会談した。
イラン国営通信(IRNA)の報道によると、協議はアラグチ氏が「現状の管理」と米国との交渉進展に向けた予備的な計画を提示する形で始まった。
協議に先立ち、イラン側は今回は詳細には踏み込まず「幅広いテーマ」が取り上げられる見込みで、今後の協議に向けたロードマップの明確化も期待されていると、IRNAは報じていた。
イランの主な優先課題は「相手の善意と本気度を見極めること」だと、IRNAは報道。「今回の協議が終われば、今後の交渉に向けたロードマップがより明確になると見られる」と伝えた。
圧力を維持
米国とイランの緊張の高まりや、ホルムズ海峡の航行リスクを警戒する一部の超大型タンカー運航会社は、速度を上げて急いで同海峡を通過させていると、ブルームバーグは報じた。
米政権は協議を継続する一方で、イランへの圧力を維持している。米国務省は6日、イラン産原油の輸送に関与した15の団体と個人2人、十数隻のいわゆる「影の船団」船舶を対象とする新たな制裁を発表した。

イランは5日、小型タンカー2隻をペルシャ湾で拿捕(だほ)した。燃料を密輸しようとした疑いがあるからだと、同国国営テレビは報じた。この報道によると、イラン当局はこうした密輸取り締まりを頻繁に実施しており、この2隻からは6300バレル相当の違法燃料が見つかったという。2隻のタンカーの具体的な情報は明らかにしていない。
トランプ氏はイランに合意に応じなければ軍事攻撃も辞さないと脅しており、これに対してイランは、攻撃されれば戦争は地域全体に広がり、イスラエルと米国も巻き込まれることになると警告している。
米国は6日、イランにいる米国民に対し、国外に退避するか、それが不可能な場合には、食料と水を備蓄するよう呼びかけた。イランに残っている米国人の正確な数は不明だが、その数は恐らく少ないとみられている。
両国の隔たりは大きく、合意が可能なのかアナリストの間では懐疑的な見方を示す向きが多い。
ユーラシア・グループのアナリスト、グレゴリー・ブリュー氏とヘニング・グロイシュタイン氏は、5日の顧客向けリポートで「一定の外交的進展が見られるとはいえ、米国がイランに対して軍事攻撃を行う可能性はなお高い。トランプ氏は、長期的には関与しない短期の決定的な行動を好む。つまり、短期集中的な米国の攻撃が見込まれる」と論じた。
原題:Iran, US Say Talks to De-Escalate Tensions Had ‘Good’ Start (2)、Iran, US Hold Indirect Talks to De-Escalate Mideast Tensions (2)(抜粋)
(トランプ大統領の発言などを追加して更新します)
--取材協力:Golnar Motevalli、Eltaf Najafizada、Dana Khraiche、Iain Marlow、Hadriana Lowenkron、Derek Wallbank.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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