日本株市場では、8日投開票の衆議院選挙で高市早苗首相率いる自民党が勝利し、拡張的な経済・財政政策が実施されて一段高となることを先取りする動きが出ている。

高市首相が衆議院を解散する意向が伝わった1月上旬以降、東証株価指数(TOPIX)の上昇率は4%と、米S&P500種株価指数やストックス欧州600指数を上回る。高市関連銘柄とされる防衛関連株も買われ、ゴールドマン・サックス証券の防衛関連株バスケットは7.4%上昇した。

大和証券キャピタル・マーケッツ・ヨーロッパの経済調査責任者、クリス・シクルナ氏は「自民党の議席が過半数を大きく上回れば、高市首相が力を入れる人工知能(AI)や造船などの関連銘柄に追い風だろうし、選挙期間中も防衛関連株は好調だ」と語る。

報道各社の情勢調査では自民党が優勢となっており、焦点は単独過半数を獲得できるかどうかになりつつある。自民党が大勝した場合、高市首相の求心力が高まって長期政権につながり、緩和的な金融・財政政策によって高い経済成長を目指す「高圧経済」政策が強化されるとの見方が多い。

フィリップ証券の笹木和弘リサーチ部長は「自民党が過半数を取れば、株高・円安・長期金利上昇の3点セットでしばらく行くだろう」と話した。すでに株買い、円売り、債券売りという「高市トレード」は加速している。

ニッセイアセットマネジメントの松波俊哉チーフアナリストも、小泉純一郎政権や第2次安倍晋三政権のように政策アジェンダが明確な安定政権が誕生すると、海外投資家の買いが入りやすく、株高の持続性が期待できるとみる。

一方で、積極財政政策の行き過ぎにより債券市場が混乱し、株式市場にも影響が及ぶことを警戒する声もある。1月に高市首相が唐突に2年間限定で食料品に対する消費税減税を検討すると明らかにした際には、長期・超長期債の売りが加速(利回りは急上昇)して投資家の間で緊張感が走った。

フィリップ証券の笹木氏は「一歩間違えるとトリプル安になってしまう可能性もある」と指摘する。

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