(ブルームバーグ):米アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス氏率いる航空宇宙企業のブルーオリジンは、月着陸船や関連技術の開発を優先するため、宇宙観光飛行を「少なくとも2年間」停止する方針を明らかにした。「月への帰還と、恒久的かつ持続可能な月面拠点を確立するという国家目標」へのコミットメントを反映した決定だと説明した。
ブルーオリジンは、米航空宇宙局(NASA)のアルテミス計画で人類を月面に着陸させる最初の民間企業になることを目指し、スペースXと競っている。今回の決定は同社がこの目標達成に向け全面的に注力している姿勢を示すものだ。
同社は、宇宙飛行士を地球と月の間で往復させる月着陸船「ブルームーン」について、NASAと総額34億ドル(約5300億円)の契約を結んでおり、当初は2029年の着陸を目標としていた。

宇宙観光飛行の停止により、再使用型ロケット「ニューシェパード」は事実上の地上待機となる。このロケットはこれまでに90人以上を大気圏と宇宙空間の境界線を超えるところまで運び、短時間の無重量状態の体験を提供してきた。ベゾス氏自身も21年の最初の有人飛行に参加した。
26年はブルーオリジンの月関連事業にとって重要な年になる見通しだ。将来の有人着陸に向けた試験として年内にも貨物を積載した宇宙船を打ち上げ、着陸させることを目標としている。また、スペースXの「スターシップ」より早く宇宙飛行士を輸送できる可能性のある着陸船開発の加速計画をNASAに提示した。
ニューシェパードは地球周回軌道に到達できない準軌道ロケットであり、商業的な可能性は限定的だ。ブルーオリジンはこれに代わる高性能ロケットとして「ニューグレン」を25年に初披露し、部分的な再使用が可能であることを示した。
原題:Bezos’ Rocket Firm Blue Origin to Halt Space Tourism Flights (2)(抜粋)
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