資産運用会社は、ケビン・ウォーシュ氏が米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長に指名されるとの報道が流れ、ドルが5月以来の大幅高となる数日前に、ドルに対する弱気ポジションを積み増していた。

ブルームバーグが集計した米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、資産運用会社は1月27日までの1週間に、ドルに対する弱気ポジションを83億ドル(約1兆3000億円)増やした。積み増しは2025年4月以来の規模となった。

一方、ヘッジファンドは同期間にドルのネットロングを51億ドル減らし、24年7月以来で最大の減少となっていた。

ドルは1月30日、トランプ米大統領がパウエル議長の任期が5月に終了した後のFRB議長として、政策面でタカ派とみられるウォーシュ氏を指名する考えを固めたとの報道を受けて急伸した。

ペッパーストーングループのシニア調査ストラテジスト、マイケル・ブラウン氏は「ドルの反発により、ドルショートのポジションは週末にかけてかなり不利な状態に追い込まれていただろう」と述べた。その上で、「ただ、政策の不透明感が続く見通しで、トランプ政権がドルをさらに弱めようとする可能性もあることから、ドルをショートにしておくことには依然として説得力がある」と語った。

 

ドル売りは先月、人気の取引となっていたが、1月30日にドルが0.9%上昇したことで、弱含みが一方向に進むわけではないことを市場は改めて認識した。トレーダーは、ウォーシュ氏がドルを下支えしかねない政策を採る可能性があると受け止めた。

ドルは2月2日のアジア時間朝の取引で荒い値動きとなり、当初は主要通貨の大半に対して上昇したものの、その後下落に転じた。ブルームバーグのドル指数は、25年に8.1%下落した後、今年に入ってからも約1.3%下げている。

1月30日の持ち直しにもかかわらず、多くの市場参加者はさらなる下落を警戒している。ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック最高経営責任者(CEO)は先週、ドルはここしばらく安全通貨のような動きをしていないと指摘し、トランプ氏の予測不能な政策運営や米国の巨額の財政赤字が引き続きドルの重しになっていると述べた。

2月の取引が始まる中、多くのストラテジストはドルにさらなる下押し圧力がかかるとの見方を維持している。ゴールドマン・サックス・グループ、マニュライフ・インベストメント・マネジメント、ユリゾンSLJキャピタルはいずれも、先行きはドル安になるとみている。

カマクシャ・トリヴェディ氏らゴールドマンのストラテジストはリポートで、「最近高まった政策の不透明感は長引くとみられ、ドルが失った地合いを取り戻すのを阻むだろう」と予想した。

原題:Traders Sold Dollars Just Before Warsh Choice Sparked Rebound(抜粋)

(最終段落を追加します)

--取材協力:Anya Andrianova、Carter Johnson.

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