韓国サムスン電子は、半導体部門の2025年10-12月利益が前年同期比で5倍超に急増したと発表した。人工知能(AI)向けの投資拡大がメモリー需要を押し上げており、堅調な市況を裏付けた。

同社はAI関連半導体の売上高を拡大する計画だ。高帯域幅メモリー(HBM)の次世代品「HBM4」を1-3月(第1四半期)にも米エヌビディアに出荷する予定。AIアクセラレーターに不可欠な高収益製品で先行するSKハイニックスを追撃する重要な一歩となる。

現代自動車証券のアナリスト、グレッグ・ロー氏は「HBM4に対するサムスンの自信は、先行者を追う戦略がようやく実を結び始めた証左だ」と指摘。「年後半に予定される次世代製品への移行を主導する技術的優位性を確保したようだ」と述べた。

サムスン電子の半導体工場建設現場(韓国)

半導体部門の営業利益は16兆4000億ウォン(約1兆7500億円)。市場予想平均は10兆8500億ウォンだった。全体の純利益も19兆2900億ウォンに達し、市場予想の15兆1000億ウォンを上回った。

また3兆5700億ウォン(約3800億円)規模の自社株買いや特別配当の実施も発表した。

サムスンの株価は25年に2倍超に上昇し、26年1月も約35%急上昇している。メモリー半導体の価格が想定を上回るペースで推移し、業績拡大への期待が膨らんでいる。

一方、クラウド大手によるAIインフラへの巨額投資を受け、業界の需給バランスは急速に変化している。AI向けメモリーの旺盛な需要が世界的な供給能力を上回り、サムスンやSKハイニックスなどに追い風となっている一方、先端品への生産シフトに伴い、パソコンやスマートフォン向けの汎用(はんよう)DRAM、NANDの不足を招く事態となっている。

焦点は、高帯域幅メモリー(HBM)の次世代品「HBM4」で先行するSKハイニックスを追うサムスンの動向だ。HBM4は米エヌビディアの次世代プロセッサー「Rubin(ルービン)」に搭載される予定。サムスンはHBM4について、エヌビディアからの認証取得に近づいている。

ピクテ・アセット・マネジメントのシニア投資マネジャー、イ・ヨンジェ氏は「HBMの技術面ではSKが先行するが、サムスンも猛追している。投資家はメモリー市況の見通しに関する両社の見解を注視するだろう」と述べた。

 

原題:Samsung’s Chip Profit Soars in Strong Signal for Global AI Rush(抜粋)

--取材協力:Sangmi Cha.

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