先週末に米ミネソタ州ミネアポリスで連邦当局の職員が発砲し、米国市民が死亡した事件を受け、トランプ米大統領と上院民主党は対立を強め、再び政府機関閉鎖に向かっている。

この事件に反発した上院民主党は、新たな安全策を盛り込まない限り国土安全保障省(DHS)予算を認めないと表明した。つなぎ予算の期限が30日に迫る中、対立の影響はDHSにとどまらず、国防総省や厚生省、労働省、財務省、教育省にも及ぶ可能性がある。

民主党の反発の背景には、今回の事件は正当性のない殺害という認識がある。政権は証拠を示さないまま、退役軍人病院で集中治療室(ICU)の看護師として働いていたアレックス・プレッティさんを国内テロリストと断じた。

連邦当局職員が市民に発砲した現場近くに集まった住民ら(ミネアポリス、1月24日)

政府機関閉鎖は長期化する可能性があるが、移民・税関捜査局(ICE)や国境警備隊への影響はほとんどないとみられる。両機関は昨年成立した税制・歳出法で巨額の予算を確保しているためだ。

それでも、野党民主党が取り得る議会戦術としては、これが最も強力な手段となる。

民主党は昨年秋に43日間続いた政府閉鎖で、オバマケア(医療保険制度改革法)の補助金延長は勝ち取れなかったが、生活費負担や経済を巡りホワイトハウスと共和党を守勢に回らせることができた。

民主党が引き下がらない限り、期限までに政府閉鎖を回避するのは極めて難しい。

22日に歳出法案を可決した下院は今週ワシントンに戻る予定がないが、上院が法案に修正を加えた場合、下院の承認が必要になる。新たなつなぎ予算案が浮上したとしても、移民取締り予算を理由に上院民主党に受け入れられない可能性があり、下院の承認も不可欠だ。

政府閉鎖となれば、確定申告シーズンに内国歳入庁(IRS)の業務が遅延する可能性がある。また労働統計局(BLS)が来週公表する予定の月次失業データは遅れる可能性があるが、商務省の経済統計は影響を受けない見通しだ。

トランプ氏は26日、国境管理・移民送還を統括するトム・ホーマン氏をミネソタ州に派遣すると発表し、抗議活動が続くミネアポリスの緊張緩和に努める考えを示した。

原題:Trump, Democrats Hurtle Toward Shutdown After Minnesota Killing(抜粋)

--取材協力:Maria Paula Mijares Torres、Hadriana Lowenkron.

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