トランプ米大統領は21日、米国による軍事的な保護への感謝が欠けているとしてカナダのカーニー首相を非難した。カーニー氏は前日、中堅国が結束して強引な超大国に対抗すべきだと訴えており、反撃に出た形だ。

トランプ氏は世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)で、自ら提唱する次世代ミサイル防衛構想「ゴールデン・ドーム」はカナダの空域も防衛するものだと主張した。

「カナダはわれわれから多くの無償の恩恵を受けている。感謝すべきだが、そうしていない。昨日見たが、彼が感謝しているようには思えなかった」と、トランプ大統領は述べた。

トランプ米大統領(1月21日、スイス・ダボスで)

さらに、「カナダは米国がいるからこそ成り立っている。マーク、次に発言するときはこのことを覚えておくことだ」と、カーニー首相をファーストネームで呼んで語った。

カーニー氏は20日の演説で、国際的なルールに基づく秩序は事実上崩壊したと宣言。「最も強大な国々が経済的統合を威圧の手段として用いながら、自国の利益を追求する」時代に移ったとの認識を示した。こうした発言は、政財界の首脳が集まる年次会合で大きな反響を呼んだ。

カーニー首相はトランプ大統領に言及しなかったものの、「交渉手段としての関税、威圧手段としての金融インフラ、悪用され得る弱点としてのサプライチェーン」といった、トランプ氏と密接に結び付けられる戦術に触れた上で、新たな形態の協力関係を構築して対抗すべきだと各国に呼びかけた。

カナダはトランプ氏が1750億ドル(約27兆8000億円)と見積もるゴールデン・ドーム構想への投資を検討している。ただ、ブルームバーグの分析では、費用は最大で1兆1000億ドルに膨らむ可能性もある。未実証の宇宙配備型技術を含む案は、弾道ミサイルや極超音速兵器、高度な巡航ミサイルなどの脅威から大陸を防衛することを目的としている。

カーニー氏は21日、トランプ大統領が到着するのと入れ替わる形でダボス会議を後にした。

原題:Trump Says Canada ‘Lives Because of US’ After Carney Rebuke (1)(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.