イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁が、ポピュリズムは世界の経済的課題への取り組みを困難にし、成長の鈍化や生活水準の問題に対する解決策にはならないとコメントした。中央銀行総裁や経済学者で構成するベラージオ・グループの今週のイベントでの発言で、ベイリー氏が政治について率直なコメントをするのは異例だ。

イングランド銀行が16日に演説内容を発表した。ベイリー氏は、成長の鈍化により、国際主義の利点を認識することが困難になっていると指摘し、グローバルなシステムや多国間機関を擁護した。

発表によると、ベイリー氏は、ポピュリストたちが国内生産と富の分配を、「国際的な開放性に対立するもの」と誤った位置づけをし、「共通の課題」ではなく「外部の勢力」を非難していると指摘した。

同氏は具体的な国名や個人名は挙げなかったが、トランプ米大統領の関税政策や連邦準備制度理事会(FRB)に対する圧力、英国での右派ポピュリズム政党リフォームUKの台頭といった、保護主義や国家主義的な政策が念頭にあるとみられる。

先進国経済圏では、ポピュリストや強硬な右派政治家が近年勢力を拡大しており、今もなお権力を獲得したり、勢力を拡大したりしている。

ベイリー氏は、ポピュリストが制度を「遠い存在で反応が鈍く、強力で制御不可能な利害のために動いている」かのように見せ、制度への不信感をあおっていると述べた。また、グローバルシステムの支持者は「言葉だけでなく、行動で」反撃すべきだと呼びかけた。

ベイリー氏は、貿易と開放が成長を支え、世界の貧困を削減する一方で、「経済に分配上の影響をもたらしうるし、実際に与えてきた」ことを認め、それが社会資本と国内の結束を損なっているとの見方を示した。

また、国連、国際通貨基金(IMF)、国際決済銀行(BIS)傘下の金融安定理事会(FSB)などの多国間機関が存在しない世界は「安定しているとは考えにくい」として、こうした機関が「断固たる姿勢」を示し、自らの「体制を整える」必要があると訴えた。

原題:BOE’s Bailey Says Populism Is Making Economic Job Harder (1)(抜粋)

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