トランプ米大統領は、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に対し無関心な態度を示した。米国最大の自由貿易協定である同協定の再交渉が、長期化する恐れが出ている。

トランプ氏は13日、2020年に自身が署名し、今年見直しが予定されるUSMCAについて、米国にとって「実質的な利点はない」と述べた。この協定は主にカナダに利益をもたらしているとした上で、「次々と米国に移ってきており、彼らの製品は必要ない」と述べた。

フォード・モーターの工場を視察した際、再交渉に臨むのか、あるいは失効させるのかを記者団に問われ、トランプ氏は「あってもなくても構わない。どちらでも大きな違いはない」とし、「重要ではない」と強調した。

トランプ氏の発言は、USMCAに大きく依存する米自動車産業に加え、メキシコ、カナダ両政府への新たな警告となる。米国の二大貿易相手国である両国はトランプ氏が1年前に返り咲いて以降、予測不能な通商政策に振り回されてきた。今回のコメントは、USMCAの再交渉が、米国がメキシコとカナダに不満をぶつける場になる可能性を示すものだ。

USMCAは、7月1日までに3カ国が更新に同意すれば、16年間延長される。合意に至らなければ、再承認されるか2036年に失効するまで年次協議を迫られる。

これとは別に離脱条項があり、どの国も他の締約国に半年前に書面で通知すれば協定から離脱できる。トランプ氏が実際に離脱に踏み切るかどうか、仮に踏み切った場合にUSMCA崩壊を回避する合意が成立するかも不透明だ。協定は交渉の具体的な進め方を全て明記しているわけではなく、理論上は3カ国の合意次第でどのような形式でも協議は可能だ。

トランプ氏はここ数カ月、USMCAを軽視する発言を重ねており、カナダとメキシコとの交渉を有利に進める意図がうかがえる。

トランプ氏は協定の存続を望むかと問われると、「彼ら(カナダとメキシコ)は望んでいるだろう」とした上で、「私はどちらでもいい」と答えた。

さらに「私はUSMCAのことなど考えていない。カナダとメキシコにはうまくやってほしいと思っている。問題は彼らの製品が不要だということだ。カナダ製やメキシコ製の車はいらない。米国で生産したいと考えており、実際にそうなっている」と語った。

原題:Trump Calls North American Trade Pact He Brokered ‘Irrelevant’(抜粋)

--取材協力:Keith Naughton.

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