12日の取引でドルと米株価指数先物は下落。米連邦準備制度理事会(FRB)とトランプ政権との緊張が一段と高まっていることを受け、投資家は米国資産を敬遠した。償還期間が短めの米国債は上昇した。

S&P500種株価指数先物は一時0.8%下落。パウエルFRB議長はFRB本部の改修工事を巡り、自身が昨年6月に上院銀行委員会で行った証言に関連して、刑事訴追の可能性を示唆する大陪審の召喚状を司法省から受け取ったと明らかにした。パウエル氏は、この措置は、政策当局者がトランプ大統領の金利に関する意向に従うことに消極的だった結果だと述べた。

ブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時、昨年12月23日以来の大幅安。2年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下して3.52%。トレーダーは近い将来の利下げ見通しを加速させた。米長期債は、過度に緩和的な政策がインフレを再燃させかねないとの懸念から下落した。

金、銀は一時最高値を更新した。FRBの独立性に対する懸念に加え、イランでのデモ行動を受けての安全資産需要も響いた。安全資産とされるスイス・フランは主要通貨に対してアウトパフォーム。

主要欧州株価指数は0.3%下落。アジア株は、テクノロジー株が上昇したほか、ドル下落が地合いを押し上げ、総じて上昇した。

パウエルFRB議長

パウエル氏は声明で、今回の措置が自身の証言や改修工事に起因するとの見方を否定。「それらは口実に過ぎない」と指摘。その上で、「刑事訴追の脅しは、連邦準備制度が大統領の意向に従うのではなく、公共の利益に資すると判断した最善の評価に基づいて金利を設定していることの結果だ」とコメントした。

トランプ政権による刑事訴追の脅しは、利下げペースを巡る大統領とFRB議長の対立が一段と激化したことを示している。トランプ氏はこれまで積極的な利下げを求めると同時に、パウエル議長の解任の可能性を示唆してきた。また、別のFRB理事を解任しようとした経緯もある。

ATグローバル・マーケッツのチーフ市場アナリスト、ニック・トウィデール氏は、「パウエル議長を巡る調査は、FRB、米政府、そして米市場全体にとって、決して良い印象ではない」と述べた。さらに、「パウエル氏の発言は非常に力強いもので、大統領と真正面から対峙(たいじ)する覚悟があるように見える」との見方を示した。

原題:Dollar, US Stock Futures Fall on Threats to Fed: Markets Wrap

Stocks, Dollar Drop on Fed Fears as Gold Hits High: Markets Wrap

Gold and Silver Storm to Records as Fed Fight, Iran Spur Demand

(抜粋)

--取材協力:Joanna Ossinger.

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.