アジア時間12日の取引でドルと米株価指数先物は下落。米連邦準備制度理事会(FRB)の独立性を巡る懸念が背景にある。

ブルームバーグ・ドル指数は一時0.2%安。一方、金は一時2%上昇して最高値を更新し、安全資産とされるスイス・フランは一時0.5%高を付けた。

パウエル議長は11日、FRB本部の改修工事を巡り、自身が昨年6月に上院銀行委員会で行った証言に関連して、刑事訴追の可能性を示唆する大陪審の召喚状を司法省から受け取ったと明らかにした。

パウエル氏は声明で、今回の措置が自身の証言や改修工事に起因するとの見方を否定。「それらは口実に過ぎない」と指摘。その上で、「刑事訴追の脅しは、連邦準備制度が大統領の意向に従うのではなく、公共の利益に資すると判断した最善の評価に基づいて金利を設定していることの結果だ」とコメントした。

トランプ政権による刑事訴追の脅しは、利下げペースを巡る大統領とFRB議長の対立が一段と激化したことを示している。トランプ氏はこれまで積極的な利下げを求めると同時に、パウエル議長の解任の可能性を示唆してきた。また、別のFRB理事を解任しようとした経緯もある。

ATグローバル・マーケッツのチーフ市場アナリスト、ニック・トウィデール氏は、「パウエル議長を巡る調査は、FRB、米政府、そして米市場全体にとって、決して良い印象ではない」と述べた。さらに、「パウエル氏の発言は非常に力強いもので、大統領と真正面から対峙(たいじ)する覚悟があるように見える」との見方を示した。

パウエルFRB議長

アジア株は大半が上昇。9日の米株式相場が米雇用統計を受けて上昇した流れを引き継いだ。韓国株や中国株、オーストラリア株、台湾株が高い。

原油相場は3営業日続伸。イランでの抗議デモ激化で、石油輸出国機構(OPEC)加盟国で産油量4位の同国からの供給が脅かされるとの見方が広がった。

イランの混乱で同国の体制が崩壊する可能性が高まっており、実際にそうなれば、世界の地政学とエネルギー市場を一変させる重大な転機となり得る。トランプ氏は、デモ参加者が標的にされた場合の報復を示唆し、イランは米国とイスラエルに対しいかなる介入も行わないよう警告している。

 

原題:Dollar, US Stock Futures Fall on Threats to Fed: Markets Wrap(抜粋)

--取材協力:Joanna Ossinger.

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