2025年12月の米雇用統計では、雇用者数の伸びが市場予想を下回った。労働市場が徐々に鈍化した1年を締めくくる内容となった。

労働市場の軟化を受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)は昨年末にかけて3会合連続で利下げを実施した。人員採用は2009年以降で特に低調な1年となったが、雇用主は大規模なレイオフをおおむね控えている。

 

12月のデータでは、昨年末時点で労働市場が引き続き脆弱(ぜいじゃく)な状態にあったことがうかがわれ、雇用の先行きには慎重な見方も強い。求人は限られ、賃金の伸びは鈍化するという状況が今年も続くとエコノミストはみており、中間選挙にかけてアフォーダビリティー(暮らし向き)を巡る有権者の懸念は強まる可能性が高い。

ミシガン大学の公共政策・経済学教授のベッツィー・スティーブンソン氏は、今回の統計について「これまでに出てきた他のあらゆるデータと同じような内容を示している。つまり、労働市場は弱含みつつあるということだ」と指摘。「雇用の伸びは大きくないが、大量の失業につながっているわけではない」と述べた。

FRB当局者の間では、今年の追加利下げ幅を巡り見解が分かれている。市場では、1月の次回連邦公開市場委員会(FOMC)会合で政策金利が据え置かれるとの見方が維持された。S&P500種株価指数は上昇して取引を開始。米10年債利回りは小幅な動きとなっている。

業種別で見ると、雇用の伸びは娯楽・ホスピタリティーや医療がけん引した。両分野は年間ベースでも雇用拡大を主導した。民間部門の雇用者数は12月に3万7000人増。前年同月と比べると伸びは大きく減速した。小売りや建設、製造業で雇用が減少した。

政府機関閉鎖やそれに伴う連邦職員の退職先送りが過去2カ月分のデータに影響していたことを踏まえると、今回の統計は採用動向の基調をより明確に示すものとなった。

失業率は、過去最長となった政府機関閉鎖の影響から落ち着きを取り戻した。解雇が減ったことに加え、労働市場に復帰する人が少なかったことも反映した。失業率は10代の若者、黒人、高校卒業資格を持たない人々の間で低下した。

労働参加率は62.4%に小幅低下。25-54歳の参加率は横ばいだった。

今回の統計には、失業率を含む雇用統計の調査について、2021年までさかのぼったデータ修正が盛り込まれた。修正幅は比較的小さく、昨年後半にかけて失業率は上昇し、11月に4.5%でピークを付けたとの流れに変わりはなかった。

動画:12月米雇用統計に関するブルームバーグテレビジョンの報道

一方、27週以上にわたって失業している長期失業者は昨年に40万人近く増加し、2020年以来の大幅増となった。経済的な理由からパートタイムでの仕事を余儀なくされている労働者の数も、2020年以来最大の増加となった。

12月の平均時給は前月比0.3%増。家計消費を左右する要因として、エコノミストはこの指標を注視している。家計消費は富裕層に一段と集中する傾向が強まっている。

統計の詳細は表をご覧ください。

原題:US Payrolls Rise a Below-Forecast 50,000, Unemployment Lower (5)(抜粋)

(統計の詳細とエコノミストのコメントを追加し、更新します)

--取材協力:Chris Middleton、Jarrell Dillard、Julia Fanzeres、Vince Golle.

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