ホワイトハウスのナバロ上級顧問(貿易・製造業担当)はレアアース(希土類)について、米産業の技術革新が国内生産を押し上げ、中国による市場支配を排除することになるとの見解を示した。

ナバロ氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「中国は現在、欧州やインド、米国で力を誇示しており、基本的には、自分たちの思い通りにし、止めようとすれば重要鉱物を取り上げると言っている」と指摘。「彼らはそれを独占していると考えているが、それも時間の問題だ」と述べた。

さらに、米国のイノベーションは中国による「武器化」を「速やかに一掃する」と語った。

中国はレアアースの世界最大の供給国で、同国が昨年に供給規制を強化しようとしたことで、米中の通商対立は激化。双方が一時、関税を天文学的な水準まで引き上げる事態につながった。

ナバロ氏はインタビューで、対中関税率の引き上げをEUに促していると発言

トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は昨年10月に貿易休戦で合意した。だが、米政府はその後も、自動車や電子機器など幅広い消費者向け製品に使われる磁石について、中国からの供給依存を減らすことを狙った政策を進めている。

ナバロ氏は「では、その間に何をするのか。外交だ。それを弱腰と呼ぶ人がいるなら、チェス盤を理解していないということだ」と語り、外交も戦略の一環であるとの認識を示した。

米国との合意に基づき、中国は輸出規制強化を1年間停止することに同意した。トランプ氏は見返りとして、合成麻薬フェンタニルの化学原料の米国流入への対応として発動していた中国製品への関税を半減し、10%とした。

ナバロ氏はインタビューで、「凶暴な独裁者」との意思疎通を維持することがトランプ氏の取り組みに極めて重要だとコメント。このグループには習氏のほか、ロシアのプーチン大統領、トルコのエルドアン大統領が含まれると説明した。

国際エネルギー機関(IEA)によると、中国は世界のレアアースおよび永久磁石の精製能力の90%超を占めており、2位のマレーシアは4%にとどまる。

米国は、重要鉱物を巡り中国への西側諸国の依存を減らし、サプライチェーンを強化する広範な取り組みの一環として、同盟8カ国との合意を模索している。

昨年12月にはエネルギーや重要鉱物、先端製造、半導体、人工知能(AI)インフラ、輸送・物流に関する合意を目指し、米政府当局者が日本や韓国、シンガポール、オランダ、英国、イスラエル、アラブ首長国連邦(UAE)、オーストラリアの当局者と会合を開催した。

このほかナバロ氏はインタビューで、対中関税率の引き上げを欧州連合(EU)に促した。米企業に対するEUのデジタル課税を巡り双方は対立しており、こうした要請は新たな緊張をもたらす可能性がある。

ナバロ氏は「大統領が中国の不正から米国を守るために関税を引き上げると、中国は米国でそれほど多くを売れなくなる」とした上で、「では、それをどこで売るのか。欧州で投げ売りし、メキシコで投げ売りする」と指摘。このため、「欧州にもわれわれと全く同じ水準の関税を導入するよう強く促している」と話した。

原題:Navarro Sees US Ending Chinese Dominance of Critical Minerals(抜粋)

--取材協力:Eric Martin、Reade Pickert、Mishal Husain、Matt Shirley、Louisa Lewis、Jessica Beck.

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