韓国・現代自動車傘下の米ボストン・ダイナミクスは5日、人型ロボットの最新モデルを公表した。米ジョージア州サバンナの製造拠点を含む現代自動車の工場に2028年から導入する予定だ。

現代自は、人型ロボット「アトラス(Atlas)」の最新モデルの導入当初は、車体への取り付け順に部品を並べるといった反復性の高い作業にとどめ、30年までに、より複雑な組み立て作業に当たらせる計画だ。米ラスベガスでのテクノロジー見本市「CES」に合わせて現代自が公表した。

アトラスは、人間と同程度の大きさの手に触覚センサーを備え、関節は全方向に回転可能で、最大110ポンド(50キログラム)を持ち上げられる。華氏-4度(摂氏-20度)から華氏104度(摂氏40度)までの温度下で動作可能だ。

6日のソウル市場で現代自株は取引開始直後に一時8.4%上昇し、上場来高値を更新した。

現代自は、人工知能(AI)とロボティクスを融合させる広範な取り組みの一環として、米国の新施設で年間最大3万台のロボット生産を目指している。鄭義宣会長は年頭の発言で、競合に後れを取らないよう最先端のAI技術を取り入れる必要があると述べていた。

自動車業界は、労働コスト削減と作業員の安全性向上を目指し、組立工程の自動化をいち早く進めてきた。自動車メーカー各社はAIの活用により、新しい収益源を開拓し、ハンズフリー運転などで車の使い勝手を高められると期待している。

中国の電気自動車メーカー、小鵬汽車は昨年、人型ロボット「IRON」を公表し、大きな話題を集めるとともに株価が急伸した。テスラは人型ロボット「オプティマス」を開発中だが、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、これが「史上最大の製品」になる可能性があり、最終的にテスラの価値の80%をもたらすとの見通しを示した。トヨタ自動車も高度なロボティクス計画を進めており、24年にはAIを活用した人型ロボットの開発加速に向けて現代自と提携した。

これまでもロボットは溶接や物流といった単純作業で長年利用されてきたが、企業はいま、より複雑な作業をこなせる技術的なブレークスルーを目指している。AIの急速な進化が人型ロボット分野の強気見通しを後押ししており、ゴールドマン・サックス・グループは同市場の規模が35年までに380億ドル(約5兆9400億円)に達すると予測。モルガン・スタンレーは、50年までに同分野が5兆ドル規模に拡大し、使用される人型ロボットは10億台を超えると見込んでいる。

現代自は、「人型ロボットが将来、フィジカルAI市場で最大のセグメントになると見込んでおり、現場投入が可能なアトラスを量産し、産業拠点全体に大規模に展開することを目標に掲げている」とした。

同社は19年にロボティクス・ラボを設立し、2年後にボストン・ダイナミクスを買収した。今後5年間で、AIやロボティクスなどの新技術に韓国で125兆ウォン(約13兆5300億円)を投資する計画で、米国でも28年までに260億ドルを投じる予定。

また、半導体大手エヌビディアとの戦略的パートナーシップを強化する予定で、同社の技術を活用してイノベーションの加速と効率向上を図る。両社は昨年10月、韓国に30億ドル規模のフィジカルAIの計算・研究拠点を開設する契約を締結した。

原題:Hyundai Unveils New Humanoid Robot for Work in Car Factories (2)(抜粋)

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