(ブルームバーグ):新興国株が5日の取引で上昇し、過去最高値を更新する勢いとなっている。アジアのテクノロジー株の好調が続いており、新興国市場全体のリスク選好を後押ししている。
新興国株の指標、MSCI新興市場指数は一時1.5%上昇し、このままいけば5年前に付けた最高値を上回って取引を終える。台湾積体電路製造(TSMC)とサムスン電子が値上がり上位で、いずれも6%余り上昇した。
この日の上昇は、世界の株式市場で引き続き注目される人工知能(AI)関連資産に対する投資家需要の強さを反映している。韓国や台湾の主要株価指数に加え、アジア太平洋地域の株価指標も新たな高値に向かう展開となった。
新興国資産は年初から好調なスタートを切っており、米経済の減速見通しがドルの重しとなる中、2026年に入っても上昇局面が続く可能性があるとアナリストはみている。新興国株は昨年、30%余り上昇し、年間ベースで17年以来の上昇率となった。
AIサプライチェーンで重要な部品を供給する企業がアジアに数多く存在することも、同地域のプレゼンスを高めている。もっとも上昇には留意点もある。市場が過熱する中、割高感への懸念からAIやテクノロジー分野の大型株の一部では値動きが不安定になっている。
サクソ・マーケッツのチーフ投資ストラテジスト、チャル・チャナナ氏は「短期的に新興国市場への下支えが続く可能性はあるが、一直線の上昇ではなく、銘柄選別が進む中で変動が大きくなりそうだ」と指摘。ただ、「アジアのテック株やAIサプライチェーン関連銘柄の勢いが引き続き指数を押し上げることもあり得る。世界的なリスク選好姿勢が維持される場合はばなおさらだ」との見方も示した。
トレーダーは現在、上昇局面の次の段階につながる新たな材料を探している。今後発表される米経済指標や主要企業の決算が、市場の健全性を見極める手掛かりとなりそうだ。一方で、米利下げの行方を巡る不透明感や、米軍の急襲でベネズエラの指導者が拘束されたことによる地政学的緊張の再燃などが、投資家心理の重しとなっている。
原題:Emerging-Market Stocks Set for Record High on Tech Optimism(抜粋)
--取材協力:Leda Alvim、Malavika Kaur Makol.
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