(ブルームバーグ):米メディア大手ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)は、パラマウント・スカイダンスが提示した買収案を改めて拒否する考えだと、ワーナーの意向に詳しい複数の関係者が明らかにした。パラマウントはこれまで、ワーナーの意向に応じて買収条件を修正している。
関係者らによれば、ワーナーの取締役会は最終決定には至っていないものの、来週に会合を開く予定。関係者らは、内部の協議に関することだとして匿名を条件に語った。取締役会が懸念している点の一つは、パラマウントが買収提示額を引き上げていないことだという。ワーナーはこれまで、パラマウントの提案がネットフリックスの案に劣るとして退けている。
パラマウントは12月8日、1株当たり現金30ドルによる買収提案を公表した。これはワーナーが映画製作およびストリーミング事業のみを対象とするネットフリックスの買収案を受け入れた3日後に当たる。
その後、パラマウントは提案内容を2度修正。直近ではオラクルの共同創業者で富豪のラリー・エリソン氏が404億ドル(約6兆3200億円)の個人保証を提供する確約を盛り込んだ。
パラマウントはエリソン氏と息子のデービッド氏が支配している。エリソン親子は8月にパラマウントの経営権を掌握。その後、ワーナーに対して複数回にわたり買収提案を行ってきた。買収が実現すれば、規模の小さいパラマウントにとっては新たにハリウッドの映画スタジオを傘下に収めることになるほか、ストリーミング事業の規模拡大につながる。
関係者によると、ワーナーの取締役会は態度を変えておらず、パラマウントが金銭面で買収条件を引き上げるのを待っている。また複数の株主は、パラマウントがより高い金額を提示するとの見方を示している。取締役会はまた、パラマウント案では、エリソン親子の承認なしに負債管理ができなくなる恐れがあることや、ネットフリックスとの買収合意を破棄した場合に支払う必要が生じる違約金について、パラマウントが負担すると保証していない点を懸念している。
ワーナーは提出書類で、パラマウント案に比べ、ネットフリックスの提案の方が優れていると考える複数の理由に言及。パラマウントが買収に伴い多額の負債を抱えることや、より多くの人員削減を計画している点などを挙げている。ネットフリックスの時価総額は4000億ドルを超えており、ハリウッド業界で最も価値の高い企業だ。

原題:Warner Bros. Plans to Reject Paramount Offer Next Week(抜粋)
(第3段落以降に詳細を追加して更新します)
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