(ブルームバーグ):トランプ米大統領が推進するウクライナ和平への取り組みに29日、新たな複雑さが加わった。ロシアのプーチン大統領は自身の邸宅の一つがドローン(無人機)攻撃を受けたと主張し、交渉上の立場を見直す考えを示した。
ロシア政府によると、プーチン氏は同日の電話会談でこの方針をトランプ氏に伝えた。一方、ウクライナはロシアの主張について、和平プロセスを妨害するための捏造(ねつぞう)だとして反発している。
トランプ氏はフロリダ州で記者団に対応した際、この問題に言及。プーチン氏が電話会談で、問題の攻撃について伝えてきたとし、自身は「非常に怒っている」と述べた。
トランプ氏は「攻撃態勢にあるのだから、攻撃するのは分かる。しかしプーチン氏の邸宅を攻撃するというのは別だ。そういう行動をするべき時期ではない」と記者団に語った。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア側の主張を「新たな虚偽」だと否定しており、モスクワはこれをキーウの政府施設を攻撃する口実に利用しようとしていると警告した。
ロシア大統領府のウシャコフ補佐官によれば、プーチン氏は米国と緊密に連携して和平努力を進める意向だが、これまでに合意していた多くの事項を再検討すると述べた。また、和平実現に向けて米国のパートナーと引き続き協力する考えをトランプ氏に示し、両首脳は対話の継続で一致したという。ウシャコフ氏のコメントはロシアの通信社が伝えた。
両首脳の29日の電話会談は前日の会談に続くもので、年末にかけて外交活動が活発化する中で行われた。トランプ氏は28日、ウクライナのゼレンスキー大統領と和平案合意に向けて会談を行った。
トランプ氏は、2022年のウクライナ侵攻を決着させ、大統領に返り咲いた初日に果たすと約束していた公約の実現を目指している。
ホワイトハウスのレビット報道官はこれより先、ソーシャルメディア「X」への投稿で、両首脳の電話会談は「建設的」だったと述べたが、トランプ氏が目標にどれほど近づいたのかは依然として不透明だ。
ロシアのラブロフ外相は29日、ウクライナがモスクワの北西ノヴゴロド州の大統領公邸を、91機のドローンで夜間に攻撃しようとしたと主張。ロシアは報復するとし、標的は既に定まっていると述べた。
原題:Trump’s Ukraine Plan Faces New Obstacles After Putin Call (1)(抜粋)
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--取材協力:Mark Sweetman.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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