29日のロンドン金属取引所(LME)で銅価格は過去最高値の1トン=1万3000ドルに接近した。供給逼迫(ひっぱく)への懸念から年末にかけて異例の上昇を遂げている。

英国の祝日に伴う2日間の休場明けとなるこの日の取引で、銅は一時6.6%高の1万2960ドルを付けた。米国が輸入関税を課す可能性を見据えて米国に銅を持ち込む動きが広がり、他地域の買い手がより高い価格での購入を迫られるとの見方を背景に、12月の上昇率は15%を超えている。

ミンメタルズ・フューチャーズの非鉄金属調査責任者、ウー・クンジン氏は電話取材で「依然として期待先行のように感じられる」と指摘した。銅を購入し、価格に敏感な中国の一部加工工場は、最近の上昇を受け、減産や操業の一時停止に動いているという。

 

LME銅価格は上海時間午前11時38分(日本時間午後0時38分)時点で1万2919.50ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で銅先物は1.2%高の1ポンド=5.908ドル。LMEが休場だった26日には5%上昇していた。

トランプ米大統領は来年半ばに精製銅の輸入関税について判断する予定で、実施されるとの見方から米国の価格はLMEを上回る水準にある。これは大口トレーダーが大量の銅を米国に持ち込む動きを促し、他の地域で在庫が減少している。

原題:Copper Rallies to Record Near $13,000 in London on Supply Fears(抜粋)

--取材協力:Ben Sharples.

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