(ブルームバーグ):人工知能(AI)ブームにより、トランプ米政権が膨大なエネルギーの確保を進める中、テキサス州の電力開発会社HGPインテリジェント・エナジーが、海軍の軍艦に搭載されていた原子炉を転用して米国の電力網に供給する構想を提案している。
エネルギー省に提出された書簡によると、HGPは、退役した原子炉2基について、テネシー州オークリッジで提案されているデータセンター計画向けに、転用を申請した。この計画は、ホワイトハウスのAI国家戦略「ジェネシス・ミッション」の一環だ。24時間稼働で、約36万世帯分への供給に相当する約450-520メガワットの電力を生産するという。
こうした原子炉の活用は、電力需要の急増に直面する米国にとって、理論上はベースロード電源を電力網に追加する最も迅速な手段の1つになり得る。従来型の大型原発または次世代の小型炉は、新設に数年を要する。大規模な天然ガス火力発電所の建設も同様に時間がかかる。とはいえ、軍事用原子炉を民生用途に転用する試みは未踏の領域だ。
米国の空母や潜水艦には、それぞれ2基の原子炉が搭載されており、ウェスチングハウス製のA4W型、またはゼネラル・エレクトリック製のS8G級原子炉が使われている。提案書によれば、そのうち2基を再配線する費用は、1メガワット当たり約100万-400万ドル(約1億5600万-6億2300万円)で、原子炉の新設に比べてごく少額だ。HGPの計画には、政府との収益分配や、廃炉基金の創設も含まれている。
書簡によると、HGPはエネルギー省に対し融資保証を申請する予定だ。ブルームバーグが確認したエネルギー省向けの提出資料では、原子炉を一般用途に切り替えるための関連インフラ整備に、民間資本として約18億〜21億ドルが必要になるとしている。計画の第1段階は、早ければ2029年にも完了する可能性があるという。
原題:Nuclear Developer Proposes Using Navy Reactors for Data Centers(抜粋)
--取材協力:Joe Deaux.
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