富豪ピーター・ティール氏が支援する暗号資産(仮想通貨)保有企業イーサジラ(ETHZilla)は、戦略の重点を移しつつある。株式市場で一時、高い人気を誇った取引から投資家が手を引いていることが背景。

イーサの購入を軸とする「デジタル資産トレジャリー(DAT)」企業として180ライフ・サイエンシズから社名変更してからわずか4カ月。イーサジラは債務圧縮のため7450万ドル(約117億円)相当のイーサを売却した。米証券取引委員会(SEC)への提出書類で明らかになった。イーサはビットコインに次ぐ時価総額2位の暗号資産。

提出書類によると、イーサジラは「現実資産のトークン化」を含む事業計画の実現を目指す中、イーサの売却や株式発行を含めさまざまな資金調達戦略の検討を今後も続ける方針だ。

8月18日にバイオテクノロジー事業からの転換を発表する数日前にイーサジラの株価は30ドルだったが、その後、100ドル超に急伸していた。12月22日終値は6.30ドルだった。

同社の広報担当者は22日、提出書類以上のコメントを控えた。

 

イーサジラは、マイケル・セイラー氏が自ら率いるストラテジーを、ビットコイン保有の上場企業に転換した手法を模倣した。2025年後半に入るまでは、セイラー氏に追随した100社超の企業でこの戦略が機能していた。だがトークンが上場企業に保有されているというだけで価値が高まる理由は説明がつきにくかった。暗号資産価格が10月上旬に急落すると特にその傾向は強まった。

12月19日時点でイーサジラが保有するトークンは約6万9800で、現在の価格に基づくと約2億1000万ドル相当となる。

原題:Thiel-Backed Crypto Hoarder ETHZilla Sells Tokens to Pay Debt(抜粋)

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