米沿岸警備隊は20日早朝、カリブ海で原油タンカーを停止させ、立ち入り検査を行った。国土安全保障省のノーム長官が明らかにした。このタンカーは直近でベネズエラに寄港していたという。トランプ大統領は先に、ベネズエラを出入りする制裁対象の石油タンカーの封鎖を命じている。

事情に詳しい複数の関係者によれば、「センチュリーズ」号と呼ばれるスーパータンカーは最大200万バレルのベネズエラ産原油を積載し、パナマ船籍を示す旗を掲げていた。積み荷の原油は中国企業に所有権があるという。乗組員約40人の大半は中国人だと、関係者の1人は明らかにした。

米当局によるタンカー拿捕(だほ)は、12月に入り2隻目となる。ただし10日に拿捕された1隻目と異なり、センチュリーズはこれまで米国の制裁リストや警告文書に掲載されていなかった。

ホワイトハウスのケリー報道官は、このタンカーには国営ベネズエラ石油(PDVSA)の制裁対象の原油が積載されていたとX(旧ツイッター)に投稿。「これは虚偽の船籍を掲げ、盗まれた原油を密輸して麻薬テロリストのマドゥロ政権の資金源とするため、ベネズエラの影の船団の一部として活動していた船舶だ」とコメントした。

ノーム長官はSNSへの投稿で、この「未明の作戦」には国防総省も協力したと記した。

これに対し、ベネズエラのロドリゲス副大統領兼石油相は20日、タンカーの拿捕について「盗難と拉致」だとし、米政府による「深刻な海賊行為」だと非難。「米政府が押し付けようとしている植民地モデルは失敗する」とSNSに投稿した。

10日には、トランプ政権が制裁対象のタンカー「スキッパー」を拿捕。このタンカーは直近でベネズエラの港に寄港しており、米当局は「外国テロ組織を支援する不正な原油輸送ネットワーク」に関与したとして制裁対象になった「国籍を持たない船舶」だと説明していた。

今回の新たな事案は、ベネズエラとの緊張をさらに高める可能性がある。NBCは19日、トランプ氏がベネズエラとの戦争の可能性を排除しないと述べたと報道。トランプ氏とのインタビューに基づいて伝えた。米軍による攻撃が戦争につながる可能性はあるのかとの問いには、「それについては話さない」と答えたという。

原題:US Says It Intercepted Second Tanker in Venezuela Blockade (1)(抜粋)

(米国とベネズエラの双方の主張などを追加して更新します)

--取材協力:Andreina Itriago、Myles Miller、Jennifer A Dlouhy.

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