米当局は20日、カリブ海で中国企業所有の原油タンカーを停止させ、立ち入り検査を行ったと、複数のメディアが伝えた。トランプ大統領は先に、ベネズエラを出入りする制裁対象の石油タンカーの封鎖を命じている。

事情に詳しい複数の関係者によれば、「センチュリーズ」号と呼ばれるスーパータンカーは最大200万バレルのベネズエラ産原油を積載し、パナマ船籍を示す旗を掲げていた。また積み荷の原油は中国企業に所有権があるという。立ち入り検査については、ロイターやアクシオスなどが報じた。

米当局によるタンカー拿捕(だほ)は、12月に入り2隻目となる。ただし10日に拿捕された1隻目と異なり、センチュリーズはこれまで米国の制裁リストや警告文書に掲載されていなかった。

10日には、トランプ政権が制裁対象のタンカー「スキッパー」を拿捕。このタンカーは直近でベネズエラの港に寄港しており、米当局は「外国テロ組織を支援する不正な原油輸送ネットワーク」に関与したとして制裁対象になった「国籍を持たない船舶」だと説明していた。

今回の新たな事案は、ベネズエラとの緊張をさらに高める可能性がある。NBCは19日、トランプ氏がベネズエラとの戦争の可能性を排除しないと述べたと報道。トランプ氏とのインタビューに基づいて伝えた。米軍による攻撃が戦争につながる可能性はあるのかとの問いには、「それについては話さない」と答えたという。

米国防総省にコメントを求めたが、同省からはホワイトハウスに問い合わせるよう伝えられた。ホワイトハウスには複数回にわたり連絡を試みたが、これまで返答を得られていない。ベネズエラの通信情報省もコメント要請に応じていない。

原題:US Intercepts Second Tanker in Venezuela Blockade, Reports Say(抜粋)

--取材協力:Andreina Itriago、Myles Miller、Jennifer A Dlouhy.

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