高市政権初の臨時国会は様々な意味で激動の国会となった。閉会直後に「年収の壁」178万円への引き上げで国民民主党と自民党の距離が急接近する一方、新しく誕生した自民党と日本維新の会による連立政権では、自民と維新の「与党慣れ」の差が露呈し、「ギクシャクした新婚生活」状態に。さらに公明党と立憲民主党の急接近など、与野党の勢力図が大きく変動している。
臨時国会が閉会、直後に「年収の壁」で満額回答
12月17日、高市政権初の臨時国会が閉会した。その直後の18日、自民党と国民民主党の党首会談により、長らく焦点となっていた「年収の壁」を178万円に引き上げることで合意に至った。

野党キャップのTBSテレビ政治部・新田晃一記者は「今回の合意は国民民主党の丸呑みのような形となっており、玉木代表自身も『ここまで行かないだろうと思っていたところまで到達している』と言っている」と説明。
この合意の背景には、来年の通常国会での来年度予算案と税制改正法案の成立に向けた自民党の戦略がある。参議院で過半数に達していない与党にとって、国民民主党の協力は不可欠となる。
自民党から満額回答を引き出した国民民主党の今後について新田キャップは、「玉木さんの会見では連立入りについて、『信頼関係の醸成がうまくいっている』ことを繰り返すだけで否定はしていなかった」と話し、国民民主党の今後の動向が注目されると指摘する。