安全保障を担当する総理官邸の幹部が、「日本は核を持つべきだ」と発言した問題。波紋が広がっています。外交への悪影響を懸念する声も上がり、与野党から「更迭すべき」との声が相次いでいます。

官邸幹部
「核は持つべきだと思います。頼れるのは自分たちしかいないから」

きのう、高市総理に安全保障政策などについて助言する官邸の幹部がオフレコを前提に記者の取材を受け、そのなかで飛び出したこの発言に衝撃が走りました。

日本の核政策をめぐって“個人的見解”と断った上で、「日本は核保有すべきだ」と指摘しました。

きょう、与野党双方から「オフレコの場であろうと問題のある発言だ」として、更迭を求める声が相次ぎました。

立憲民主党 野田佳彦 代表
「常に総理と接して安保政策に提言をする方が、こういう方が側にいては私は良くないというふうに思います。国是(非核三原則)に逆行する動きということなので、(高市総理に)厳しく対応してほしい」

公明党 斉藤鉄夫 代表
「被爆80年の節目の年に、このような発言が出たことに対して驚きと怒りを感じております。罷免に値する重大な発言だと思います」

自民党の防衛大臣経験者からは…

自民・防衛大臣経験者
「オフレコとはいえ、立場を考えていない非常にけしからん発言だ。外交に影響を及ぼすことを危惧している」

この官邸幹部を続投させるのか、木原官房長官は…

木原稔 官房長官
「個別の報道の逐一についてコメントすることは差し控えさせていただきます。政府としては、非核三原則を政策上の方針として堅持をしているということは申し上げております」

発言撤回の指示や続投させるかについては、明言を避けました。

一方、政府として「核兵器のない世界に向けた国際社会の取り組みを主導していくことは、唯一の戦争被爆国である我が国の使命である」と強調しました。

ただ、政権内からも外交や今後の安保政策への悪影響を懸念する声が上がっていて、高市総理の任命責任が問われることなりそうです。