(ブルームバーグ):米格安航空会社スピリット・アビエーション・ホールディングスが、米同業フロンティア・グループ・ホールディングスと合併協議を進めていることが、事情に詳しい関係者の話で分かった。大手航空会社との競争が激化する中、スピリットを破産手続きから脱却させる可能性がある。
関係者によると、合意は今月中にも発表される可能性がある。ただ、協議は進行中で、合意に至らないこともあり得るという。
ブルームバーグの報道を受け、フロンティアの株価は16日、通常取引終了後の時間外取引で一時約10%上昇した。スピリットの終値は20セントだった。

スピリットの担当者はうわさや臆測についてコメントしないと述べた。フロンティアはコメントを控えた。
合併が実現すればスピリットにとっては大きな前進となる。同社は8月、1年足らずで2回目となる破産申請を行った。
合併は、格安航空のパイオニアである両社が足元の業界で競争力を維持するには規模拡大が必要であることも示すものだ。ユナイテッド・エアラインズ・ホールディングスなど航空大手が提供するベーシックエコノミー運賃や強固なネットワークにより、スピリットのような従来型の格安航空は競争が難しくなっている。
9月までの政府統計に基づくと、合併が実現すれば、有償旅客の飛行距離ベースで米5位の航空会社となり、ジェットブルー・エアウェイズやアラスカ・エア・グループを上回る。
スピリットは政府閉鎖や貿易摩擦、ネットワーク障害などで運航に影響が及ぶ厳しい年を経験してきた。協議は、フロンティアが長年トップを務めてきたバリー・ビッフル最高経営責任者(CEO)を突然交代させた中で進んでいる。
フロンティアの経営陣は両社統合を長年、模索してきた。かつて両社は航空券を大幅割引する一方、搭乗券の印刷や機内でのミネラルウオーター提供など他のサービスを有料にする事業モデルを採用していたが、近年は顧客基盤拡大を狙い、より上質なサービスのオプション提供に動いている。
原題:Spirit Airlines Eyes Merger With Frontier Amid Restructuring (2)(抜粋)
--取材協力:Eliza Ronalds-Hannon.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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