(ブルームバーグ):2026年の20カ国・地域(G20)議長国を務める米国は、財務相・中央銀行総裁会議について、恒例となっていた2月の開催を見送り、来年は8月の1回のみとする方針だ。会議の回数を減らして簡素化を進め、議論を深める時間を確保する狙いだ。
事情に詳しい複数の関係者が16日までに、ブルームバーグに明らかにした。米ホワイトハウスの当局者は、2月に閣僚級ではなく大臣代理レベル会合を開く予定だと述べた。8月会合の日程や開催場所は現時点で決まっていない。
G20の財務相と中銀総裁は例年、2月と夏場の会議に加え、4月と10月の国際通貨基金(IMF)・世界銀行総会でも議論の場を設けている。26年議長国の米国の下でG20を簡素化し、経済・金融問題を集中的に協議する本来の姿へ回帰する。
この動きは、多国間の枠組みよりも二国間での交渉を重視する米国の姿勢にも重なる。トランプ米大統領とベッセント財務長官は今年の首脳会合(サミット)や財務相会合を欠席するなど、G20軽視の姿勢が目立つ。
G20は各国の財務相と中銀総裁が議論する場として1999年に創設された。その後の世界的な金融危機を受け、2008年からはサミットを開催。当初はマクロ経済問題が議論の中心だったが、対象分野の広がりに合わせて閣僚会合が立ち上げられ、専門家らの作業部会が増設されるなど、組織は肥大化の一途をたどってきた。
ベッセント長官は11月、南アフリカが議長国を務めていた25年の会議について「G20が実質的にG100と化していた」と批判。G20の規模を縮小し、原点に立ち返らせる考えを示していた。
会合の回数が多ければ準備期間は短くなる。議長国は12月に就任するため、翌年2月に財務相会合が控えていれば約3カ月で調整を進めなければならない。さらに、この期間はクリスマスや年末年始の休暇が重なるため調整の時間を十分確保しづらく、共同声明(コミュニケ)作成では慌ただしい作業を強いられる。
G20の議長国はここ数年、南アフリカ、ブラジル、インドなどグローバルサウス(新興・途上国)を代表する国々が務めた。これらの国々は財務相会合で債務再編や保健、金融格差といった課題に重点を置き、マクロ経済や金融市場といった主要議題に割く時間が減少していた。
また近年では、ロシアによるウクライナ侵攻や軍事衝突が起きた中東の情勢など、財務相らは地政学問題への対応に時間を割かざるを得なくなっている。各国の立場の違いから、会合後に共同声明を出せないケースもあった。
米国は議長国就任時の声明で、「G20を本来の使命である経済成長と繁栄に再び回帰させ、成果を生み出す」と強調。優先課題の第一の柱に「規制の負担軽減で経済的繁栄を実現する」ことを掲げた。
来年のG20サミットはフロリダ州マイアミで開催される。
--取材協力:横山恵利香.
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