(ブルームバーグ):メモリーとストレージ部品の価格高騰は、この1年でサンディスクやマイクロン・テクノロジー、ウエスタンデジタルなどを市場で最もホットな銘柄に変えた。その一方でこうした企業の顧客企業は、多くが悩みを抱えるようになった。
アップルからHPに至るハードウエア企業は高価なメモリー部品を購入する必要があり、こうした企業が受ける圧力は投資リスクになっている。しかも、この状況はすぐには反転しそうにない。
「状況は厳しい」と語るのは、トータス・キャピタルのシニア・ポートフォリオ・マネジャー、ロブ・サメル氏だ。「基本的に選択肢は2つだ。利幅の縮小を受け入れ、マーケットに嫌われること。もう一つはメモリー高騰を転嫁して価格を引き上げ、需要が損なわれるリスクを覚悟することだ」と述べた。運用資産91億ドル(約1兆4400億円)のトータスは、人工知能(AI)インフラに特化した上場投資信託(ETF)を運営する。
急激に増えたメモリー需要は「前例のないメモリー不足」を招いているとテクノロジー調査会社IDCは指摘。半導体価格の急騰につながり、デバイスメーカーを「危機」に陥れていると分析している。
アップルの株価は2025年にわずか8.6%上昇と、22年以来の低パフォーマンスに甘んじた。26年も年初来4.2%下げ、ナスダック100指数構成銘柄の中で下位20銘柄に入っている。HPの株価は25年に約3割下落し、26年もさらに年初から6.8%下げ、11月以来の安値。デル・テクノロジーズは昨年10月に付けた過去最高値から、26%下げた。
メモリー価格高騰はスマートフォン向け半導体メーカーにとってもリスクとなっている。このことはみずほ証券によるクアルコム株投資判断の引き下げや、バンク・オブ・アメリカ(BofA)によるアーム・ホールディングス株の投資判断引き下げでも言及されている。
「AI需要を背景にメモリー価格の高止まりは長引くとみられ、市場での風当たりは引き続き強いだろう」とサメル氏は述べた。ただデルは唯一、サーバー事業の成長がメモリーの向かい風を相殺するため、ポジティブな見通しだという。
対照的なのはメモリーとストレージ関連の企業で、今年は年初から快調に飛ばしている。サンディスクとウエスタンデジタル、マイクロン、シーゲイト・テクノロジー・ホールディングスは昨年の好調に続いて今年も株価が上昇。サンディスクは年初来で約75%高と、S&P500種株価指数の構成銘柄で値上がり率トップ。ウエスタンデジタルとマイクロンもトップ20にランクインしている。
フリーダム・キャピタル・マーケッツのマネジングディレクター、ポール・ミークス氏は「メモリー部品の価格高騰は向こう2年で、アップルのような巨大企業にも影響を与えるほどになるだろう」と話す。「メモリー価格は本来シクリカルだが、供給不足の深刻さを考えると、これがすぐに逆方向に向かうとは考えにくい」と述べた。
原題:Apple, Tech Hardware Stocks Face ‘Crisis’ as Memory Prices Soar(抜粋)
--取材協力:Subrat Patnaik、David Watkins.
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