イングランド銀行(英中央銀行)は今週利下げを決定すると広く見込まれている。そこで1年半ほど前に始まった金融緩和サイクルが終わりに近づいているのかどうか、同中銀の金融政策委員らは向き合うことになる。

18日に発表される英中銀の金融政策判断は0.25ポイントの利下げで、政策金利は3.75%になると、エコノミストや投資家の大多数は予想する。3.75%となれば、ベイリー総裁らが最近言及した英国の「中立金利」とされる水準まで、あと1回か2回の利下げで到達する。

英中銀金融政策委員会(MPC)の大半のメンバーは、中立金利の具体的な水準について明言を避けているが、中立金利への接近が委員らの判断に既に影響を与え始めている。

9人から成るMPCはここ数カ月、タカ派とハト派に均等に分かれ、中間に位置するベイリー氏が決定の鍵を握る。ブルームバーグの調査によると、今週発表される政策判断は5対4の僅差で利下げが決まるとエコノミストは予想する。

MPC内で争点となっているのは、10月で3.6%と高止まりする英国のインフレ率か、冷え込みつつある労働市場か、どちらにより大きな重点を置くべきかだ。英中銀が昨年8月に現在の緩和サイクルに入って以来、相反する経済指標が利下げの決定を困難にしてきた。中立金利への接近は、それに輪を掛ける。

「今後は利下げを行うごとに、次の利下げのハードルが高くなる」とキャピタル・エコノミクスの英国担当チーフエコノミスト、ポール・デールズ氏は指摘。「これまでにもMPC内に大きな意見の相違があったが、利下げが自動的に続くという感覚は薄れるのではないかと思う」と述べた。

Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg

キャピタル・エコノミクスやモルガン・スタンレーなどを含む一部のアナリストは、経済見通しの悪化で英中銀は金利を一段と引き下げるだろうと予想。ブルームバーグのエコノミスト調査によると、英中銀の政策金利は来年4-6月(第2四半期)に3.25%にまで低下すると見込まれている。

一方、投資家はより慎重で、政策金利は3.4%前後で落ち着くとの見方だ。今週の利下げに加え、0.25ポイントの利下げをあと1回行ったところで、インフレ再燃のリスクから利下げをさらに行う余地はなくなるとみているためだ。

原題:Two Cuts and Done? Bank of England Faces End of Easing Cycle(抜粋)

--取材協力:Craig Stirling、Greg Ritchie.

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2025 Bloomberg L.P.