(ブルームバーグ):年末に集計される今年の北米映画興行収入ランキングでは、子ども向け映画が上位3位を占める可能性が高い。「マインクラフト/ザ・ムービー」、「リロ&スティッチ」、「ズートピア2」の3作品だ。4位と5位にはファミリー向け映画の「ウィキッド」と「アバター」各続編がランク入りするとみられている。
年間トップ10に入る映画でR指定は「罪人たち」(邦題)の1本だけだ。SFアクション映画「プレデター」シリーズ最新作「プレデター:バッドランド」はPG13指定で、アカデミー賞作品賞の最有力候補とみられるR指定の「ワン・バトル・アフター・アナザー」を大きく上回る興行収入が見込まれている。
「エンターテインメント業界はかつてないほど子どもに依存している」と、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は先月報じていた。業界全体としては新型コロナウイルス禍後の観客呼び戻しになお苦戦しているものの、2024年のPG指定作品の興行収入は過去最高となった。
NRGの最近のリポートによると、13年以降に生まれたアルファ世代が映画館業界をほぼ単独で支えている。他の世代と比べ、アルファ世代は自宅での視聴よりもライブ型エンターテインメントを重視しており、それは主に対面での社会的つながりを持つ機会があるためだとNRGは指摘する。
こうした状況がより顕著に表れているのが中国だ。ズートピア2が同国で公開された週末の興行収入は2億7200万ドルと、北米での1億5900万ドルをはるかに上回り、外国映画の1日当たり興収記録を更新した。それまでの過去最高は「アベンジャーズ/エンドゲーム」だった。
ズートピア2の興行収入は公開からわずか6日で20億元(約443億円)に達した。中国で興収が10億元を超えた外国作品は、22年の「アバター」シリーズ2作目「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」以来となる。
しかし、ズートピア2も、中国映画史上で最大のヒット作となった子ども向けアニメ作品「ナタ 魔童の大暴れ」(邦題)には及ばない。同作の国内興収は20億ドルと、北米で単一作品の興収記録を打ち立てた「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」(9億4000万ドル)の2倍超だ。
映画評論家レイモンド・チョウ氏はブルームバーグに対し、「一般の映画ファンは満足できる映画体験という点で、実写よりアニメーションの方が信頼できると考えるようになった」と述べた。
そうした認識はこれまでなかったが、映画館に足を運ぶ観客層がここまで低年齢化したこともない。大人が自宅でSFドラマ「プルリブス」を視聴する中、映画館は今や子どもの領域となっている。
原題:The Generation Keeping Movie Theaters Going: Pursuits Weekly(抜粋)
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