(ブルームバーグ):英銀HSBCホールディングスのジョルジュ・エレデリー最高経営責任者(CEO)は、15カ月前に自身が抜本的な組織再編に踏み切る以前は、事業業績に対して十分に責任を負う経営幹部がほとんどいなかったと述べた。
欧州最大の銀行である同行の指揮を執るようになって以来、同氏は経営委員会の規模をほぼ半減させた。共同責任者の役割は廃止した。意思決定の責任を曖昧にし、各部門トップが自らの判断に対する説明責任を回避できる状況を生んでいたと考えるからだ。
エレデリー氏は、来年放送予定のブルームバーグのポッドキャスト番組「Leaders with Francine Lacqua」のインタビューで「単独で説明責任を負う割合が0%だった状況、すべてが二重もしくは複数の責任区分の下にあった状況から、現在は収益の約60%が単独の説明責任の下で生み出されるようになった。これは重要だ」と語った。
同氏は、かつてグローバル・バンキング&マーケッツ部門の共同責任者などを務めた経歴を持つ。数千人規模の人員削減や複数事業の閉鎖、または統合といった改革を進めてきたが、HSBCをよりシンプルでスリムな銀行にするには、まだ取り組むべき課題が残っていると述べた。
「簡素化という課題は、一朝一夕に解決できるものではない。これは長い道のりであり、望む結果が出るまで、毎月、毎四半期、徹底して取り組み続けなければならない。その道のりはまだ続いている。ゴールはまだ先だ」と語った。
AIの影響
事業をスリム化する上でエレデリー氏が重視している取り組みの1つが、人工知能(AI)の業務への統合だ。同氏によれば、20万人超の従業員にAIを展開する作業はすでに本格化している。
AIツールの「活用はもはや、やるかやらないかという選択肢の問題ではない。5年先の未来にプロフェッショナルとして自身の価値を保ち続けるために必要不可欠だ」と語った。
HSBCはすでに約17万人の従業員にAIツールを提供しており、ウェルスマネジメント部門などの事業組織に技術を組み込むほか、文書作成・レビューにも活用している。不正検知や顧客確認(KYC)でのAI利用も進む。
エレデリー氏によれば、100を超える利用事例のうち「半数は本番環境で稼働している」という。
「人間がAIに取って代わられることはないが、AIを受け入れてそれを使って自らのスキルを高めていくことができなければ、時代に取り残される」と話した。
原題:HSBC Bankers Were Hampered by Reporting Structures, CEO Says(抜粋)
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