米国の労働コストは7-9月(第3四半期)、前年比での伸びが4年ぶりの小ささとなった。労働市場の減速がインフレ圧力の抑制につながっている兆候が改めて示された。

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今回のデータは、多くの雇用主が採用ペースを落とし、一部は人員削減に踏み切る中で、雇用市場が勢いを失っていることを浮き彫りにしている。米連邦準備制度理事会(FRB)当局者の間では、雇用コストの伸び鈍化がインフレ抑制につながると受け止められている。

9日にBLSが発表した別のデータでは、採用が減少し、レイオフは2023年1月以来の高水準に増加したことが示された。

こうした数年にわたる変化は賃金の伸び減速と並行しており、特に若年層では昇給の鈍化が際立っている。

労働者の賃金

非軍人労働者の賃金・給与は前期比0.8%増。前年同期比では3.5%増えた。

インフレ調整後の民間部門の報酬は前年同期比0.5%、賃金は0.6%それぞれ増加した。民間報酬の伸びは2023年の早い時期以降で最も鈍く、米国民の間でアフォーダビリティー(暮らし向き)を巡る不満が高まっている背景の一つとなっている。

政府職員の賃金も前年同期比で伸びが鈍化した。政府部門は、トランプ政権が連邦政府の縮小を進める中で、今年に入り毎月人員削減が行われている。

来週には11月の雇用統計や消費者物価指数(CPI)といった統計が発表される予定だ。史上最長の政府機関閉鎖を経た米経済の現状について、エコノミストや政策当局者に最新情報を提供することになる。

ブルームバーグ・エコノミクスのエコノミスト、クリス・コリンズ氏は「政策当局者は賃金主導の物価圧力をそれほど懸念していないようだ。雇用増加ペースの鈍化や失業増といった労働市場の冷え込みを反映している可能性が高く、賃金と物価のインフレには下押し圧力がかかり続けるだろう」と分析した。

より頻繁に公表される賃金指標は他にいくつか存在するが、職種や産業構成の変化によるゆがみが生じにくいことから、エコノミストや金融当局者は労働コスト指数を重視する傾向がある。

BLSは、連邦政府機関の閉鎖前にデータ収集が完了していなかったほか、9月の調査回答率が低下したことを指摘した。

統計の詳細は表をご覧ください。

原題:US Employment Costs Rise at Slowest Pace Since Mid-2021 (2)(抜粋)

(統計の詳細やエコノミストのコメントを追加し、更新します)

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