動画配信大手Netflixは計画する720億ドル(11兆2500億円)規模でのワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)買収に向けて、再び巨額の借り入れに踏み切る構えだ。

同社は格付けがジャンク級(非投資適格級)だった時代に事業基盤を構築してきた経緯があり、多額のキャッシュフローを生み出すようになるまで、Debt(負債)をもじった「Debtflix」の異名で知られていた。

だが、Netflixは新型コロナ禍前と比べて財務基盤が強化されており、WBDを巡るパラマウント・スカイダンスとの争奪戦が激化した場合でも、投資適格級の格付けを維持しつつ提示価格を引き上げられるだろう。

ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)の通信・メディア債担当アナリスト、スティーブン・フリン氏は「Netflixの信用プロファイルは実に好転した」と指摘。「ハイイールド債(高利回り債)の時代から大きく前進した」と話す。

現在の合意案では、Netflixが銀行団から590億ドルのブリッジローン(つなぎ融資)を受けることになっている。最終的にはこれを最大250億ドルの社債、200億ドルの遅延引き出し型タームローン、50億ドルのリボルビング・クレジット枠に置き換える計画だ。一部はキャッシュフローで返済される可能性もある。

だが、パラマウントが対抗案を提示したことで、Netflixの負債はさらに膨らむ恐れがある。パラマウント案では、負債を含めWBD全体の企業価値を1080億ドル超と評価する。これはNetflix案(約827億ドル)を約260億ドル上回る水準だ。

デービッド・ハンバーガー氏が率いるモルガン・スタンレーのアナリスト陣は、Netflix の投資家にとって同社の債務水準が高まっていることはリスクだと指摘。同社の格付けはS&Pグローバル・レーティングが「A」、ムーディーズ・レーティングが1段低い「A3」となっているが、「BBB」に格下げされる可能性があるとリポートで述べた。

その上で、Netflixが多額の新規債務を発行し、格下げの危険があることを踏まえ、2034年償還債と2054年償還債の売りを推奨した。

Photographer: Bloomberg

原題:Netflix Is Looking To Become Debtflix Again to Fund Acquisition(抜粋)

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