(ブルームバーグ):カスタマーサービス向け人工知能(AI)を開発するドイツのスタートアップ、パルロアが、5月時点の評価額を大幅に引き上げることにつながる新規資金調達を目指している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
ドイツとニューヨークに拠点を置く同社は、ジェネラル・カタリストを含む投資家と協議を進めており、新規ラウンドで約2億ドル(約310億円)の調達を目指している。非公開情報であることを理由に匿名を条件に話した関係者らによれば、評価額を20億-30億ドルとする方向で協議が進められているという。
ジェネラル・カタリストは5月に実施された直近の資金調達ラウンドを共同で主導。このラウンドでパルロアは約10億ドルと評価された。
パルロア買収に関心を示す企業も現れるかもしれないと、一部の関係者は指摘した。協議は進行中であり、詳細はまだ変更される可能性があるという。
パルロアとジェネラル・カタリストの広報担当者は、資金調達についてコメントを控えた。
2018年にベルリンで設立されたパルロアは、人間による最小限の監督で多様なタスクを処理できる「AIエージェント」を開発するスタートアップの一つだ。同分野における矢継ぎ早の資金調達ラウンドは、投資家の強い関心と、こうした企業が直面する高額なデータ処理および開発コストを浮き彫りにしている。
パルロアはカスタマーサービスに特化し、チャットや電話を介したやり取りを処理できるエージェントを構築。顧客には保険グループのスイス・ライフ・ホールディングやスポーツ用品小売業者デカトロンが名を連ねる。パルロアは24年4月以降、2回の資金調達ラウンドで1億8600万ドルを調達した。
パルロアは、セールスフォースのようなソフトウエア大手や、OpenAIのブレット・テイラー会長が設立し9月に100億ドルの評価を得たAIエージェント開発企業シエラ・テクノロジーズと競合している。より規模の小さい競合企業コグニジー(Cognigy)は9月に完了した取引で、イスラエルのソフトウエア企業NiCEに約9億5500万ドルで売却された。
原題:AI Startup Parloa Said to Seek $200 Million in New Funding Round(抜粋)
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