スイスの人口に1000万人の上限を設けるという右派政党「国民党」の提案について、国民のほぼ半数が支持していることが世論調査で明らかになった。

長年にわたり移民に反対する姿勢を取ってきた国民党は、急激な人口増加が住宅や交通、公共サービスの逼迫(ひっぱく)を招いていると主張している。一方、政府は、厳格な制限は外国人労働力に依存する企業に打撃を与え経済や繁栄を損なうと警告しており、有権者に反対票を投じるよう呼びかけている。

新聞グループのタメディア/20ミヌテンが7日に公表した調査によると、48%が国民党の提案に賛成票を投じる意向を示した。支持者らは国民投票が早ければ来年6月にも実施されると主張しているが、政府はまだ日程を確認していない。

Photographer: 20 Minuten/Tamedia

国民党は、10万筆を超える署名を集めたことで国民投票を実施することが可能となった。スイスの人口は現在900万人強。同党の提案によれば、人口が1000万人に近づいた段階で、政府は欧州連合(EU)との自由移動協定を含む国際協定からの離脱を迫られる。現在の予測では、2035年にも同水準に達する可能性がある。

スイスでは数十年にわたり人口が増加し、現在は住民の約4分の1を外国人が占めており、スイス国内で十分な人材を見つけることができない多国籍企業による積極的な外国人採用などを受けて反移民感情が高まっている。国民党の提案に対する支持者は、チューリヒの住宅価格がロンドンやパリを上回る水準に急騰した例を引き合いに出している。

原題:Swiss Population Cap Proposal Gets Almost 50% Backing in Poll(抜粋)

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