(ブルームバーグ):ロイター通信は5日、スイス政府が銀行規制パッケージの一部緩和を検討していると報じた。報道を受け、規制変更の影響が懸念されていたUBSグループの株価は、4.1%高で同日の取引を終え、6月以来の最大の上昇幅となった。
ロイター通信は、事情に詳しい3人の関係者の話として、繰り延べ税金資産とソフトウエアの評価方法の変更に関し、内容が緩和される可能性があるとしている。スイス政府は6月、この変更により同行の資本要件が約30億ドル増加すると推計していた。
新たな銀行規制は、引き続きスイス議会に提出される見通しで、早ければ来年半ばにも施行される可能性がある。それでも、スイス政府の姿勢が軟化している兆候は、UBSにとっては朗報だ。UBSはここ数カ月、規制の変更が「極端」だとして、緩和を求めロビー活動を行ってきたが、成果を得られていなかった。
スイス財務省広報は「本件の決定プロセスは未完了で、連邦内閣もまだ決定していない。計画内容についてコメントできない」と述べた。UBS広報はコメントを控えた。
スイス政府が検討している新たな規制では、銀行の帳簿への繰り延べ税金資産、自社開発ソフトウエア、その他評価が難しい無形資産の計上方法が改定される。
UBSは、新たな規制が2023年のクレディ・スイス破綻を受けた過剰反応であり、国際的な競合他社に比べて不利な立場に置かれると主張してきた。投資家への配当計画に悪影響を及ぼす可能性があるとも警告している。
原題:UBS Shares Rise on Report Swiss May Ease Part of Capital Hit (1)、UBS Gains as Swiss Set to Soften Certain Capital Rules: Reuters (抜粋)
--取材協力:Michael Msika、Bre Bradham.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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