(ブルームバーグ):日本銀行の12月利上げ観測が高まり、投資家の関心が半導体関連株から銀行株へと移っている。
銀行株への資金シフトは今週に入って加速した。日銀の植田和男総裁が追加利上げに踏み切る可能性を示したことがきっかけで、翌日物金利スワップ(OIS)市場では今月の利上げ確率が80%を超え、1週間前の2倍に急上昇した。
アムンディ・アイルランドで株式ソリューション部門を率いるPiergaetano Iaccarino氏は2日、ブルームバーグのインタビューで「銀行はマージン拡大をもたらす金利正常化や貸し出しの成長を押し上げる景気サイクルの改善から恩恵を受け、大きな投資機会を提供する」と述べ、銀行株に投資する機会をうかがっていることを明かした。同氏のチームは約100億ユーロ(1兆8000億円)を運用している。
MSCIジャパン金融指数は過去1カ月で7%上昇した。人工知能(AI)バブルへの懸念で最近の高値から約7%下落したMSCIジャパン半導体・半導体製造装置指数とは対照的だ。
三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは「金利の先高観がかなり強くなり、銀行株に追い風」だとし、AI関連株よりも銀行株の方がより上昇するとの見方を示した。
ただ、MSCIジャパン金融指数の年初来上昇率は24%とMSCIジャパン指数の19%を上回り、銀行株はすでに買われている。昨年1月以来となる利上げが実現しない場合は反動安のリスクもある。
国債利回りの上昇もある程度なら銀行にとってプラスだが、10年国債の利回りが2.5~3%を超えると、信用金庫や地方銀行は有価証券評価損が膨らみ、自己資本が不十分になる可能性があると、JPモルガン証券の西原里江チーフ日本株ストラテジストらはリポートで指摘した。10年国債利回りは年初から約80ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して1.89%前後と、2008年以来の高水準で推移する。
もっとも、日本の政策金利は0.5%で世界でも最低水準にある。国内最大の産業別労働組合UAゼンセンは26年春闘での賃上げ目標を正社員で6%以上とする方針で、賃金の上昇はインフレ加速とともに日銀の利上げ継続見通しを支える。
しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネジャーは、利上げが近づくと銀行株への資金シフトが起きると予想する。日銀は政策金利を最低でも1%まで引き上げるとみており、銀行株はまだしばらく恩恵を受けると語った。
--取材協力:横山桃花.
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