ユーロがドルに対して上昇し、10月下旬以来の高値を付けた。オプション価格やポジション動向からは、一段高となる可能性が示唆されている。

3日の外国為替市場でユーロは一時0.4%高の1.1669ドルと、騰勢を強めている。このまま引ければ、5カ月ぶりの8日続伸となる。円に対しても小幅に上昇し、ロンドン時間正午には0.1%高の181円30銭で取引されている。

ユーロを押し上げる好材料がそろっていることに加え、ドル売り圧力が強まっていることがユーロ上昇に背景にある。年末にかけてのオプション動向は過去2週間で最もユーロ強気に傾き、ユーロのコールに対する需要はプットを大きく上回る。

ドルは、トランプ米大統領が指名する次期連邦準備制度理事会(FRB)議長は利下げに動く公算が大きいとの見方が相場を圧迫している。最有力のハセット国家経済会議(NEC)委員長はハト派とみられる。12月の利下げは既にほぼ織り込み済みで、追加利下げの見通しはドルを押し下げる要因になる。

一方、欧州の側では、エネルギー価格の軟化によりユーロ圏の貿易条件は今年最高に改善。また、ユーロ圏の投資家にとって、米資産に対する為替ヘッジのコストは低下した。

「ヘッジ比率がわずかに増加するだけでも、ドルの供給がかなり増える可能性がある。今後数週間は、主要な為替フィキシングでバイサイドのドル売りに注意すべきだろう」とINGの為替戦略部門責任者クリス・ターナー氏は指摘した。

テクニカル指標を重視するトレーダーの間では、過去にユーロが急変動した前に見られた水準にボリンジャーバンドが近づいているとの声も上がっている。季節的なパターンもユーロ上昇を示唆しており、ユーロは導入以来、12月に最も強いパフォーマンスを見せる傾向がある。

原題:Euro Hits One-Month High as Options Show Fresh Demand Emerging(抜粋)

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