(ブルームバーグ):片山さつき財務相は2日の閣議後会見で、日本銀行は政府と密接な連携を図った上で「適切な金融政策運営を行っていただくことを期待している」と述べた。政府と日銀は景気認識に齟齬(そご)はないとも話した。
片山財務相は、「金融政策の具体的な手法は日銀に委ねられている」と重ねて強調。経済・物価情勢を踏まえ、コストプッシュではなく、賃金上昇を伴った2%の物価目標の持続的・安定的な実現に向けた政策運営に期待を寄せた。
日銀の植田和男総裁は1日、名古屋市で行われた金融経済懇談会で講演し、今月中旬の金融政策決定会合で「利上げの是非について適切に判断したい」と発言。総裁が明確に利上げの可能性に言及したことで、市場は金利上昇と円高で反応した。
2日の円相場は対ドルで155円台後半で推移している。海外市場では日銀の利上げ観測を背景に154円台後半まで上昇する場面があった。
片山財務相は2日の会見で為替動向には言及しなかった。11月21日の閣議後会見では、為替介入は選択肢として「当然考えられる」とし、日米財務相共同声明に沿って適切に対応する考えを表明。30日のテレビ番組でも、足元の円相場は「ファンダメンタルズで動いていないのは明確だ」と述べるなど、円安へのけん制を強めていた。
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