実質減税は約5兆円
物価高は、家計にとって大きな苦痛を与えている。このままでは2026年も物価上昇トレンドは継続しそうである。
ならば、政府は2026年度以降も、巨額の家計支援を継続するのであろうか。
まず、筆者は、各種の家計支援では物価上昇によって生じた購買力の穴埋めをするには限界があることを示したい。
2025年度補正予算における「生活の安全保障・物価高への対応」8.9兆円のうち、実際に家計支援に回るのはどのくらいだろうか。
高校無償化2,950億円、小学校給食無償化156億円、子供1人2万円給付3,667億円は合計6,773億円になる。
ここに重点支援交付金2兆円が加わる。この交付金はすべて家計支援に回る訳ではなく、事業者支援もあり、自治体の応募によって決まる。
内訳はわからないが、現時点の応募状況から考えて2兆円のうち11,300億円程度が「生活者支援」に回りそうだ。
また、電気ガス代支援と、ガソリン軽油の暫定税率廃止措置も、家計向けと事業者向けがあり、試算すると家計向けは10,900億円になると見積もることができる。以上の合計で2.9兆円になる。
さらに、「年収の壁」対応で103万円の壁を160万円まで引き上げる措置(2025年~)が1.2兆円で、さらに与党と国民民主党との合意に基づき、160万円から178万円に上げる措置(2026年~)が6,500億円とされる。
そうした所得税減税を加えると、合計4.75兆円の支援が見込まれる。ざっくり言えば、物価高対応で家計支援に回るのは約5兆円だという表現ができそうだ。