米アップルは、人工知能(AI)部門責任者のジョン・ジャナンドレア氏が退任すると発表した。生成AI分野で出遅れるなど、AI部門の問題が山積する中での退任となる。

アップルの1日の発表文によると、ジャナンドレア氏は機械学習・AI戦略担当シニアバイスプレジデント職を離れ、移行期間を経て来春に退社する予定。

アップルAI部門責任者ジョン・ジャナンドレア氏

ジャナンドレア氏の下でアップルのAIチームはシリコンバレーの競合に後れを取った。アップルは、OpenAIのChatGPTが生成AIの代名詞になった2年後に同分野に参入したものの、独自AI基盤「アップル・インテリジェンス」は水準未満と受け止められた。また、大きな注目を集めていた音声アシスタント「Siri(シリ)」の新バージョン投入も延期された。

7年前にグーグルからアップルに入社したジャナンドレア氏の直接の上司はティム・クック最高経営責任者(CEO)だった。アップルは後任を置かず、AIチームを解体する方針で、スタッフの新たな上司はソフトウエア部門責任者クレイグ・フェデリギ氏、サビ・カーン最高執行責任者(COO)、サービス部門責任者エディー・キュー氏となる。

一方、AI研究者のアマル・スブラマニヤ氏がAI担当バイスプレジデントとしてアップルに加わり、フェデリギ氏の直属となった。スブラマニヤ氏はアップルの基盤モデルと機械学習研究、AIの安全性・評価を統括する。これらはジャナンドレア氏がここ数カ月、統括してきた領域だった。

クック氏は発表文で「AIは長くアップルの戦略の中心だった。スブラマニヤ氏がクレイグ氏のチームに加わり、卓越したAI専門性をアップルにもたらすことをうれしく思う」と述べた。

かつてグーグルに16年間勤務したスブラマニヤ氏は、直近ではマイクロソフトのAI担当コーポレートバイスプレジデントを務めていた。ブルームバーグは、アップルがAI部門責任者の後任を探しており、ジャナンドレア氏の退社は時間の問題と報じていた。

原題:Apple AI Head John Giannandrea to Leave After Chaotic Stint (2)(抜粋)

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