(ブルームバーグ):ドイツ株式市場は、より多くの国際投資家を来年呼び込む可能性が高い。政府が5000億ユーロ(約90兆円)の特別基金によるインフラ投資に動き、景気を支えるほか、合併・買収(M&A)などディールメーキングブームに道を開くとバンカーや経営幹部は期待している。
ドイツ取引所が今週開催したミッドキャップ(中型株)関連の年次会議には、企業や投資家、ファミリーオフィス、アナリストを含め過去最高の2100人が参加した。ドイツ株式相場の年初来上昇率は約20%とニューヨーク市場を上回り、会議の盛況ぶりもドイツへの関心の高さをうかがわせる。
ドイツが政府支出拡大に大きくかじを切ったことが株価高騰の一因だ。巨額の資金が投じられる防衛・インフラ分野の関連企業は人気銘柄となった。
中小企業が恩恵を受ける余地があると銀行関係者は指摘する。フランクフルト株式市場のSDAX指数およびMDAX指数構成銘柄のバリュエーション(株価評価)はなお相対的に低く、魅力的な買収対象だ。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)の欧州・中東・アフリカM&A共同責任者ルーカス・ポエンスゲン氏は「中小企業の株価がアンダーパフォームする(標準を下回る)状況を受け、(M&Aによる)非公開化の動きが続くだろう」と予想する。
ディールメーキングは既に活気づいており、スポーツ用品メーカーのプーマも海外から関心を寄せられている。中国のスポーツウエアメーカー、安踏体育用品が買収提案を検討しているとブルームバーグ・ニュースが先に伝えた。
ミッドキャップ会議では、IT企業のナガロが頻繁に買収の打診を受けていると明らかにした。アポロ・グローバル・マネジメントは今後10年間にドイツだけで最大1000億ドル(約15兆5300億円)の資金を投じる用意があるという。

原題:German Stock Boom Seen Luring More Foreign Investors, Dealmakers(抜粋)
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