リーブス英財務相が自ら編成した予算に伴う痛みを次期総選挙の時期まで先送りする方針に、格付け会社が疑念を示している。

リーブス氏が11月26日に発表した秋季予算案は、増税と歳出抑制の大半を後半に集中させることで収支を合わせている。世帯と企業に対する増税は2028-29年度から本格化し、翌年度には260億ポンド(約5兆3600億円)に達する。一方、次の総選挙は遅くとも29年8月までに実施される必要がある。

 

S&Pグローバル・レーティングとムーディーズ・レーティングスは、世論調査で与党・労働党の支持率が急落する中でリーブス氏が計画を実行できるか疑問を呈した。両社はともに英国債に高い格付けを付与し、見通しは「安定的」としている。

ムーディーズは「実行リスクは依然として高い」とし、各省庁の支出計画は「選挙イヤーには実施が難しくなる」と警告した。政府は各省庁の経常的支出が28-29年度と29-30年度に年0.5%増にとどまると予測。従来の約1%増から下方修正した。

S&Pも、痛みの大半を5カ年計画の終盤に回すことに懸念を示し、リーブス氏が方針転換を迫られる可能性を指摘した。

「次の英総選挙は29年で、28年に主要な増税措置が実施された直後となる」とした上で、「このため、投票日が近づく中で、政府が財政緊縮策の一部を撤回する可能性がある」と分析した。

 

金融市場はリーブス氏の予算案をおおむね冷静に受け止めたが、エコノミストやシンクタンクはより懐疑的な見方を示した。

英財政研究所(IFS)のヘレン・ミラー所長は予算案について「選挙イヤーには英雄的と言えるほどの抑制を伴う」と指摘。「近年の財政の見かけ倒しを想起させる。政府が計画を実行できることを願うが、疑念がある」と語った。

原題:Credit Rating Firms Doubt Reeves Can Deliver UK Budget Pain(抜粋)

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