ノーム米国土安全保障長官は11月30日、首都ワシントンで州兵1人が死亡し、別の1人が重傷を負った銃撃事件のアフガニスタン出身の容疑者について、米国入国後に過激化したと当局がみていることを明らかにした。

ノーム氏はNBCの番組「ミート・ザ・プレス」で、容疑者の犯行動機に関する質問に対し、捜査当局が引き続き情報収集を行い、関係者への聞き取りを進めていると説明した。

銃撃を受けた州兵2人と容疑者の写真(11月27日)

ノーム氏は「彼がこの国に来てから過激化したとみている」と発言。その上で、「地元コミュニティーや州内のつながりを通じて影響を受けたと考えており、引き続き彼と関わりのあった人々、家族とも話をしていく。現時点では一定の協力を得ている」と話した。

連邦当局が特定したラフマヌラ・ラカンワル容疑者(29)はアフガニスタン国籍で、2021年に米国へ到着する前は、米軍や中央情報局(CIA)に協力していた。事件はホワイトハウスから数ブロックの路上で26日に発生し、ラカンワル容疑者はその直後に取り押さえられて身柄を拘束された。

トランプ大統領やバンス副大統領ら政権幹部は、ラカンワル容疑者の米国入国を許したとしてバイデン前政権を非難するとともに、アフガニスタンからの移民関連の審査停止や、既に米国内にいる人々の手続き見直しを含め、移民規制厳格化の動きを強めた。米軍に協力したアフガニスタン人の定住権が制限される可能性も浮上している。

捜査の一環として、ラカンワル容疑者が妻子と暮らしていたワシントン州や、カリフォルニア州での家宅捜索も行われている。法執行当局は、同容疑者が襲撃実行のために車で米国を横断して首都に向かった疑いがあるとみている。

当局はこの銃撃事件をテロ事件として扱っているが、犯行動機は公表していない。ノーム氏も容疑者の過激化の経緯について詳細は明らかにしていない。首都ワシントンのピロ連邦検事正は28日、容疑者が第1級殺人罪などで訴追される見通しだと述べた。ボンディ司法長官は、当局として死刑を求刑する方針を示している。

原題:National Guard Shooter Was Radicalized in US, Noem Says (2)(抜粋)

--取材協力:Maria Paula Mijares Torres、Josh Wingrove.

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